2分でわかるアメリカ

2011/10/18沈む日本、円高よりも深刻な問題


ロサンゼルスから南にクルマで2時間のサンディエゴで先週、携帯端末の国際見本市がありました。世界の携帯電話メーカーやソフト、部品のデベロッパーが集まりました。業界が長い友人は、ミーティングに次ぐミーティングで忙しかったのですが、お相手はアメリカ以外では韓国と台湾のメーカーばかり。その友人も、相手の携帯関係者も「日本のメーカーは影が薄い」と話しています。

ベストバイというアメリカで最大の家電チェーンがあるのですが、巨大な店舗の一番手前では携帯電話が売られています。一番人気はiPhone4S、グーグルのアンドロイドを搭載したサムスンやHTCのスマートフォンも目立つ場所に置かれています。日本のメーカーのは、一台もありませんでした。

ベストバイのコンピュータ売り場で人だかりが出来ているのは、アップルのコーナーです。60歳前後の女性が、鞄から古いコンピュータを取り出し、店員に相談していました。日本の大手メーカーのロゴがついたノートパソコンです。店員は、マックブック・プロに買い替えるよう勧めていました。

一方、ウォール・ストリート・ジャーナルやハイテクの専門誌では、アマゾンが新型のタブレットを発表したこともあり、iPad2をはじめ競合するタブレットを比較する記事を大きく掲載しています。比較対象になっている日本のメーカーはゼロです。  

アメリカでは夏頃から新車の販売が大幅に伸びています。アメリカ人が新車を購入する際に必ず目を通すコンシューマー・レポートなどの雑誌や自動車の専門誌の調査で、韓国のヒュンダイやキアの品質が日本のメーカーを上回り高く評価されることは当たり前になっています。

日本政府や日本企業は、日本製の競争力が落ちたのは「円高」の影響が大きいと主張しています。しかし、本当にそうでしょうか。アメリカで暮らしている僕の目には、日本製品の商品の魅力が無くなったことが最大の原因だと映ります。ガラパゴスと指摘される世界から外れた技術のほか、日本の企業文化、低水準で放置された株式相場、ベンチャーを軽視し大企業寄りの政策など、日本そのものがずれているのではないかとさえ思えます。

[October 17, 2011] No 0104876

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.03.23 更新円相場、4月以降に大きく動く?世界が注目する米中貿易協議。ムニューシン財務長官とライトハイザー通商代表が来週、北京で劉鶴副首相らと協議。その翌週は、劉鶴副首相がワシントンを訪問する計画。大詰…
  • 2019.03.22 更新ブレグジット混迷、シナリオ多いメイ首相がEUのトゥスク大統領に宛てた書簡で、ブレグジット(イギリスのEU離脱)を6月30日まで延期することを正式に要請しました。しかし、「5月23日より先の離…
  • 2019.03.21 更新米中貿易協議、トランプ大統領の表と裏止まっていた貿易をめぐるアメリカと中国の協議が再開します。ムニューシン財務長官とライトハイザー通商代表が3月25日の週に北京を訪問し、劉鶴副首相らと協議。交渉期…
  • 2019.03.20 更新米経済、今年と来年は急減速との予想アメリカ経済が今年と来年に急減速する。FRBの会合(FOMC)前に実施するCNBCの最新の調査でエコノミストがこう予想していることがわかりました。調査にはアメリ…
  • 2019.03.19 更新オルーク氏は「第2のオバマ」?2020年の大統領選の候補者争いが本格化しています。共和党はトランプ大統領を再指名することが確実。対抗する民主党は、これまでに15人が候補者争いに名乗りをあげま…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ