2分でわかるアメリカ

2011/10/13銀行預金引き揚げ計画


ニューヨークのウォール街近くの公園で続けられている市民の抵抗「ウォール街を占拠せよ」(Occupy Wall Street)は4週目に入りましたが、運動をやめる気配はありません。

通常のデモと異なり、格差、失業、移民問題など訴えていることがバラバラで、リーダーらしいリーダーがいない「ウォール街を占拠せよ」は、統一の目標を掲げています。

11月5日までに大手銀行から全ての預金を引き揚げる」という目標です。金融危機の責任は大手銀行にある、ウォール街の金融マンは強欲すぎる、差し押さえられた家を返せ、などの思いが背景です。

11月5日に決めたのは、ドッドフランク法と呼ばれる金融規制改革法に追加する形で、銀行が商店に課すデビットカードの手数料に上限を設けるダービン法が施行されるのに合わせるためです。  

これまでに6500人が、「預金引き揚げ」に参加を表明、その動きはさらに広がりそうです。

一方で、「ウォール街を占拠せよ」は最近、労働者の銀行として知られるアマルガメーテッド銀行に銀行口座を開設しました。先週末時点で4万ドル(約300万円)が預けられているとCNBCが報じています。

「ウォール街を占拠せよ」にはこれまで、幅広い層から寄付の申し出がありましたが、受け皿が無かったため「お断り」してきましたが、今後は開設された口座で寄付を本格的に受け付けます。どれくらいの寄付が集まるのか全くわかりませんが、バラバラだった組織が組織らしくなる可能性があります。

「ウォール街を占拠せよ」がオバマ大統領に味方するのか敵対するのかは不透明です。オバマ大統領自身は「市民の不満の表れ」として運動に理解を示していますが、格差の拡大はオバマ政権に問題があるとの主張も少なくないため、予断を許しません。経済問題が来年の大統領選挙の最大のテーマであることは間違いありませんが、「ウォール街を占拠せよ」がキャスティングボードを握るかもしれません。運動は全米20都市に拡大しています。

[October 12, 2011] No 0104873

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.06.23 更新「トランプ関税」、NYダウ狙われる?※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカのトランプ大統領は22日、EUから輸入される自動車に…
  • 2018.06.22 更新米中の報復関税、最初の兆候※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)トランプ大統領の言動がきっかけで、貿易をめぐる米中関係が貿易…
  • 2018.06.21 更新ダウ平均のオリジナル企業、全除外※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)S&Pダウ指数委員会は19日、ニューヨーク株式マーケットのダ…
  • 2018.06.20 更新米中間選挙のマーケット予想※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)ロシア疑惑、移民をめぐる「不寛容政策」、中国との貿易戦争。ア…
  • 2018.06.19 更新増える米資産バブル論※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちらウォール街関係者は「バブル」という言葉を使うことを可能なかぎり避けています。誰も使い…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ