2分でわかるアメリカ

2011/10/04広がる市民の怒り


「ウォール街を占拠せよ」(Occupy Wall Street)というグループが9月17日からウォール街近くの公園で居座りを続けています。貧富の格差に不満を持つ若者らが政府や議会、大企業、そして富裕層に反発した抗議行動です。

今週末には、大学を卒業しても就職先が見つからない人や学校の先生、失業中の人らが入れ替わり立ち替わり参加、1日には1500人がブルックリン橋を埋め尽くし、公道を妨害したことで約700人が逮捕されました

狭い土地にビルや人口が集中するニューヨークのマンハッタンでは過去に何度も大規模なデモがありました。

1968年にはアッパーマンハッタンにあるコロンビア大学のキャンパスで、ベトナム戦争に関連して大学が国防省に協力したことなどがきっかけで学生ストライキが起こりました。映画「いちご白書」でも有名になった学生運動は数日続き、最後は警察との衝突に発展しました。

1988年にはマンハッタンのイースト・ビレッジという地区にあるトンプキン・スクウェアで暴動が起こりました。麻薬の売買や犯罪などの対策として夜間外出禁止令が出されたことに反発した低所得者などが暴動を起こし何百人もが逮捕されました。

市民による抗議行動は警察との衝突に発展するケースが多いため、今回の大量逮捕は暴動を未然に防ぐ狙いがあったようです。

「ウォール街を占拠せよ」が過去のデモと異なるのは、訴えていることが幅広いことです。失業、住宅、不況など経済全般に対するものから格差、人種差別まであらゆる改善を求めています。ノーベル経済学者のスティグリッツ教授や映画監督のマイケル・ムーア氏も集会に参加しています。

もう1つ過去の運動と異なるのは、フェイスブック、ツイッターなどのソーシャル・メディアが運動の輪を広げていることです。ロサンゼルスのダウンタウンにあるシティホール前には、「ロサンゼルスを占拠せよ」とプラカードを掲げた市民が数百人、サンフランシスコ、シアトル、ボストンでも同様の動きが広がっていて長期化しそうです。  

[October 03, 2011] No 0104866

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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