2分でわかるアメリカ

2011/09/28ツイストで住宅が変わるか


FRBが金融政策を決めるFOMCで、償還期限が短い米国債を売却すると同時に、期限が長い米国債を購入するオペレーション・ツイスト実施を先週決めました。資金をジャブジャブにする国債買い入れ(QE)と異なり、オペレーション・ツイストの景気浮揚効果を疑問視する見方が多いのですが、住宅市場を改善させる可能性がありそうです。

ツイストの発表を受けて住宅ローンの金利が一段と低下したからです。30年モノ固定金利は先週末までに平均3.91%に低下しました。ウルトラ低金利の日本では当たり前ですが、アメリカでは歴史的なことです。ウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、1940年代に4%が記録されていますが3%台は過去に例がありません

アメリカでは、金利が低下するとリファイナンス、つまりローンの組み替えをする人が増えますが、先週末から金融機関への問合せが増えているようです。銀行大手のウェルズ・ファーゴは3.875%の30年固定を大々的に宣伝していますし、僕の自宅にも住宅ローン会社からの売り込みが急に増えました。

クレディ・スイスの分析によりますと、アメリカで住宅ローンを利用している人の60%がリファイナンスの恩恵があるとしています。

ただ、オペレーション・ツイストで住宅市場が改善に向かうかは不透明な部分も多くあります。住宅価格が低下し、ローンの残高が住宅の価値を下回る、いわゆる「アンダーウォーター」のケースが多いこと、さらに金融機関の審査が2,3年前と比べ一段と厳しくなっているからです。

住宅ローンが歴史的な低水準に低下したことで、リファイナンスだけではなく、これから住宅を購入する人にも恩恵が期待できます。しかし、景気が不透明で、住宅が一段と下がる、さらにはローン金利も一段と下がると考える人が少なくないため、こちらも効果が不透明な部分があります。

僕が住んでいるサンタモニカの住宅は、まだまだ高値で推移しています。「この値段で買ったら確実に損する」という価格がついています。賃貸に回した時の利回りを計算しても採算が合わない価格です。金利は下がりましたが、住宅市場が回復するには、まだまだ時間がかかる気がします。  

[September 27, 2011] No 0104862

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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