2分でわかるアメリカ

2011/09/151人雇うのに2400万円


オバマ大統領が一昨日、4470億ドル(約35兆円)の雇用創出法案(AJA,: American Jobs Act)を議会に提示しました。「法案は史上最悪の政策かもしれない」とCNBCのエディターはコメントしています。雇用創出にお金がかかり過ぎるからです。

オーバー・ザ・ゼロ・ヘッジというプロの投資家が読んでいるブログがあるのですが、この中でテイラー・ダーデン氏が独自の計算を公表しています。それによりますと、法案では、1人を雇用するのに金利などを差し引くと25万ドル(約1920万円)かかるということです。

さらに労働組合がある職場の場合はさらに高く、金利を含めると雇用1人につき31万2500ドル(約2400万円)も政府が負担する計算になります。もちろん、国民の税金です。

GDPの伸びと比較すると、雇用のための政府の投資はリターン(IRR)がネガティブになり、ケインズ派またはビジネススクール的にも「ナンセンス」だとダーデン氏は結論づけています。

オバマ大統領の案では、「190万人の雇用を創出する」とされているのですが、CNBCは190万人に20万ドル(約1540万円)の小切手を送った方が良いのではないかとさえ言っています。

オバマ案の財源は増税で賄うとしていますが、野党共和党が早くも反発していて、交渉は難航必至、成立する見通しは極めて低そうです。

景気低迷が長期化する中で、オバマ大統領の支持率は過去最低まで低下しています。再選選挙を来年に控え、雇用創出法案は「政治ショー」にすぎないとの冷めた見方が多いようです。  
オバマ大統領の苦悩が続きそうです。

[September 14, 2011] No 0104853

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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