2分でわかるアメリカ

2011/09/13あれから10年


2001年9月11日の朝、僕はいつも通りニューヨーク・マンハッタンのマジソン街55丁目にある会社に出勤しました。「ちょっと様子がおかしいな」と感じたのですが、同僚からワールドトレードセンターが燃えていると聞かされました。オフィスにテレビがある広報担当者の部屋でCNNを見て、初めて同時多発テロだとわかりました。

ローワーマンハッタンの空は真っ黒。消防車や救急車のサイレンが鳴り響きました。ようやく繋がった携帯電話で、大学院に行っていた妻に、直ぐに預けてある当時1歳の娘をピックアップするよう頼みました。そのとき、アッパーマンハッタンにあるコロンビア大学には正確な情報が伝わっておらず、妻は「なぜ」を繰り返しました。

あれから10年。全米には700を超す慰霊碑が作られました。グラウンドゼロと呼ばれるワールドトレードセンターで行われた追悼式に参加したオバマ大統領は聖書の一節を朗読しました。

9.11を忘れることはありませんが、アメリカ人にとってはテロの恐怖よりも景気の方が気になるようです。NBCニュースとウォール・ストリート・ジャーナルによる共同調査では、過去10年で最も個人的な影響を受けたのは9.11と答えた人が全体の20%だったのに対し、景気低迷と答えた人が倍以上の46%いました。

景気が良くなると考える人は少なく、全体の約半数の人が再び景気後退に陥ると予想しています。2年ほどニューヨークに行っていないのですが、マンハッタンで暮らす友人に聞く限り、どこも混みあっていて完全に元に戻ったようです。その友人も10年前の悲劇を経験しているのですが、やはり同時多発テロの話しではなく、景気が悪いという話しばかりしていました。

でも、それらは先週の話。アンケート調査も当然かなり前に調査したものです。10年という節目の年を迎えた今年の追悼式は日曜日にもかかわらず、テレビ各局は追悼特別番組一色。全米の至るところに星条旗の半旗が掲げられました 
フェイスブックでは、9.11のコメントが溢れていました。今週、調査をすると、ほとんどのアメリカ人が「9.11」を重く受け止めている結果になると思います。 

[September 12, 2011] No 0104851

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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