2分でわかるアメリカ

2011/09/08話題相次ぐネットの巨人



  インターネット上で世界最大のショップ、アマゾン・ドット・コム。去年の売り上げは340億ドル(約2兆6000億円)に達しています。このインターネットの巨人発のニュースが最近、集中的に出ました。 

まず、アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾズCEOが密かに進めていた宇宙開発プロジェクト。ベゾズ氏はブルー・オリジンという会社をつくり、有人飛行を計画しています。しかし、8月末に秘密裏に行われていた発射実験が失敗し、機体を失いました。

民間の宇宙開発といえば、英バージン・グループのリチャード・ブランソン氏のバージン・ギャラクティックと電気自動車テスラの創業者であるイーロン・マスク氏のスペースXが知られていますが、オンライン小売の成功者も宇宙事業ではつまずいた形です。

次はアマゾン税の問題です。例えば、ニューヨーク本社のオンライン・ショップでカリフォルニアに住む人が買い物をした場合、そのニューヨークの会社の実店舗がロサンゼルスにない場合は、消費税にあたるセールス・タックスが課税されません。過去の通販の裁判判決などが背景にあるのですが、倉庫や関連会社がカリフォルニアにあるアマゾンは「それに該当せず課税すべき」というのが州当局の判断です。

これをアマゾン税と呼ぶのですが、これに対しアマゾンは500万ドル以上を投じて署名運動をはじめた他、「アマゾン税を撤回すれば7000人を雇用する」とカリフォルニア州に申し入れました。雇用問題が深刻なカリフォルニア州は歳入増か雇用増の選択を迫られています。

最後にもう一つ。アマゾンがウェブサイトのデザインを大幅に変更しているという話題です。アマゾンは電子ブックのキンドルをタブレット・コンピュータにアップグレードする計画ですが、新デザインはタブレットで使いやすいようにシンプル化したものです。洋服や本など物理的に存在するものではなく、電子ブックや映画配信などに大きくシフトしたもので、業界で注目を集めています。

アマゾン・ドット・コムが創業したのは1994年ですので創業17年になります。経営の神様と呼ばれた故ピーター・ドラッカー氏は「企業の寿命は30年」としていましたが、30歳を迎える 2024年にもピカピカの会社でいられるか、アマゾンのチャレンジは続きます。

[September 07, 2011] No 0104848

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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