2分でわかるアメリカ

2011/09/07デフォルト危機、今度は郵便局


アメリカの郵便事業体である合衆国郵便サービス、通称USPSがデフォルトの危機にあり、議会が緊急措置を決めなければ、今年冬にも郵便事業が閉鎖される可能性が出てきました。

ニューヨーク・タイムズによりますと、USPSの今期の赤字は92億ドル(約7000億円)に達する見込みです。このため、土曜日の郵便配達を中止全米3700カ所の郵便局を閉鎖約12万人の職員をレイオフする計画です。

郵便局の収支が悪化した背景には、インターネットがあります。電子メールやスマートフォンを使ったメッセージなどが普及、伝統的な郵便を使わなくなったのです。郵便取扱量は5年前と比べ約22%減少しました。郵便取扱量は2020年には現在の7割程度、つまりさらに30%減少すると予想されています。

その一方で、強力な労働組合を持つUSPSの従業員や年金の負担が膨らんでいます。USPSの経費のうち、人件費が80%を占めています。人件費のシェアはフェデックスやUPSなどの同業者と比べ、極端に高くなっています。人件費を含めた固定費が極端に高くなっている構図は、破たん前のGMと少し似ています

USPSの銀行口座は資金が枯渇しつつあり、このままでは今月30日に予定されている55億ドル(約4200億円)の支払いができずデフォルトになる見通しです。

アメリカ上院の委員会はきょう6日、USPSから聞き取りを実施しています。ただ、アメリカ政府自体が7月末にデフォルトの危機に陥ったように、厳しい懐事情を抱えていて、解決策は見い出せていません。  

サンタモニカの自宅の近くにあった郵便ポストが2つ無くなりました。郵便が配達される時間が毎日変わるなど僕の周辺でも影響が出ています。USPSはアメリカで最も古い事業体ですが、「無くなると困る」のも事実です。

[September 06, 2011] No 0104847

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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