2分でわかるアメリカ

2011/09/06CEO報酬が法人税より高い会社


景気低迷で歳入、つまり税金による収入が減る一方、景気対策で歳出が増えたことでアメリカの財政赤字が天文学的な数字になっています。こうした中、法人税よりもCEOの給料が高い大企業が少なくないことが明らかになりました。

IPSというシンクタンクの最新の調査によりますと、CEOに最も報酬を支払ったトップ100社のうち、4分の1にあたる25社がCEOに対し、会社が納めた法人税額より高い報酬を払っていました。  

ネットオークションの世界最大手イーベイは去年、ジョン・ドナヒューCEOに1240万ドル(約9億5000万円)の報酬を支払いました。イーベイは去年、税金を払うどころか1310億ドルの法人税の還付を受けました。

航空機製造大手のボーイングが去年、ジョン・マクナニーCEOに1380万ドル(約10億6000万円)を支払いました。ボーイングが納めた法人税は1300万ドル。また、ワシントンでのロビー活動に2080万ドル使っています。

コングロマリットのGEのジェフ・イメルトCEOの年俸は1520万ドル(約11億7000万円)。GEには33億ドル(約2500億円)の法人税が戻ってきました。また、ロビー活動に4180万ドルも使っています。

IPSによりますと、25社のCEO報酬は、所属する会社が納めた法人税よりも平均で1670万ドルも多かったということです。

会社は過去最高の利益を出しているのに、法人税をほとんど納めていない会社も少なくありません。「節税」と言えば奇麗に聞こえますが、責任が重いCEOの報酬はともかくとして、ロビー活動に巨額の経費を使っているのには驚きました。

アメリカの失業率は9.1%、この中には職探しをあきらめた人が含まれておらず、実体は数字以上に悪いことは間違いありません。多くの一般市民が苦しい生活を強いられています。議会対策などに使われるロビー活動費やトップの報酬に金を惜しまない企業とあまりにも対照的で、勤労感謝の日であるレイバーデーにいろいろ考えさせられます。

[September 05, 2011] No 0104846

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.07.20 更新輸入車関税の方向決める1週間※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ商務省は、アメリカに輸入される自動車と自動車部品が安…
  • 2018.07.19 更新トランプ関税、今度はウラン?※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)先月末から今週初めにかけて、北朝鮮が高濃縮ウランの生産を強化…
  • 2018.07.18 更新ゴールドマンの次期CEOはクラブDJ※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカの金融機関大手ゴールドマン・サックスが17日、第2四…
  • 2018.07.17 更新遅刻の常習プーチン、擁護したトランプロシアのプーチン大統領は遅刻常習犯として知られています。日本の安倍首相、ドイツのメルケル首相、イギリスのエリザベス女王、ローマ法王をはじめ数多くの要人との会談に…
  • 2018.07.14 更新「対中関税確率60%」、イバンカさん打撃※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(9日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカのトランプ政権が今週10日、中国から輸入する2000億…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ