2分でわかるアメリカ

2011/09/03米雇用の意外な一面


 注目された8月の雇用統計は労働市場の脆弱さをあらためて浮き彫りにしました。非農業部門の雇用者が増えなかったという内容は、誰もが予想していなかった弱さです。 

景気減速で、企業が新規雇用に慎重になり、固定費を削減するためレイオフが幅広く実施されていることが背景ですが、仕事サイトのスナグジョブのアンケート調査ではちょっと意外な結果が出ました。

それによりますと、会社の都合ではなく個人的な都合、つまり自発的に退社した人が転職した人の44%もいました。去年の調査では31%でしたので、大幅な増加です。より良い待遇を求めて転職している人が増えているのです。

一方で、転職者した人の22%は会社からレイオフされた人なのですが、去年の調査の34%から大幅に減少しています。

スナグジョブのCEOはCNBCに対し「一部の企業が積極的に雇用を増やしていて、機会が増えている」と語っています。これはワシントンやウォール街などが考えているアメリカの労働市場とかなり違った状況と言えます。

アメリカでは、会社の都合で職を離れた人には失業保険を申請する権利があります。しかし、自主退社した場合は権利がありません。それでも自主退社が増えているということは、強気な人が少なくないとも考えられます。

ただ、よく考えてみるとレイオフされても転職できない、つまり新しい職が見つからない人が大勢います。これらはアンケート調査に含まれていません。転職出来る人だけが自発的に辞職したと言えるかもしれません。

リンクトインというプロフェッショナルのためのソーシャルメディアがあります。最近、リンクトイン上でレジメ(キャリア歴)を書き直す人を良く見かけます。それを見るたびに、新しい仕事が見つからないのだなあと思います。

[September 02, 2011] No 0104845

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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