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2011/08/31野田新首相と円相場


新しく就任した野田佳彦首相は、歴代の首相の中で、海外で最も知名度が低い政治家です。民主党の創設メンバーでもなく、党内に派閥らしい派閥を持たない野田首相が唯一知られているのは去年6月に財務相に就任して以来、3度に渡り円売り介入を実施したことです。


ダウジョーンズは、野田首相が介入を管理する立場にあっても、円相場の上昇は止まらない可能性が高いと指摘しています。3度の円売り介入の効果が一時的に終わり、トレンドが変わらなかったこと、さらに今の円高が日本ではなく欧米が背景にあることなどで、基調は変わらないだろうとの見方です。  

164の通貨の動きをデータベース化しているxeドットコムによりますと、過去3年間で最も上昇した通貨は円です。安全資産とされるスイスフランに対しても円は4%上昇しています。ベネズエラの通貨ボリヴァーに対して円は、3年で65%も高くなっています。

フィナンシャル・タイムズは、平成に入ってからの過去15人の首相は円高の悪い面だけをみていて構造を変えることが出来ませんでしたが、野田首相のチャレンジは「円高を恩恵にかえることだ」と論じています。円高が変わらないとの見方が前提であることは明白です。

2006年に当時の小泉首相が辞任して以降、支持率が低下した首相が辞めるたびに円相場は上昇しています。唯一の例外は、安倍首相(当時)の辞任後に円相場が下落しました。菅直人首相(当時)が辞意を表明したのは8月10日、この日以降の円相場は高く推移しています。

野田首相は新体制が出来次第、円高対策に取り組む方針を明らかにしています。野田首相は過去5年で6人目の首相。円高対策にしても円高のメリットを活かした政策にしても、十分に長く政府を主導しないと実現できません。

[August 30, 2011] No 0104842

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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