2分でわかるアメリカ

2011/08/26ジョブズ氏が後任指名したティム・クックという人


アメリカだけではなく世界のハイテク業界を代表するカリスマ経営者であるスティーブ・ジョブズ氏がCEO職を辞しました。アップル派は同時にジョブズ氏の熱烈なファンですので、辞任のニュースはアップル・コミュニティーに大きな衝撃を与えました。  

闘病中のジョブズ氏がアップルの取締役会とアップル・コミュニティー宛に書いた短い手紙には「残念ながらこの日が来た。続けたいが辞任する」と書かれています。病気が重く最高経営者を続けられない無念な気持ちが伝わってきます。ジョブズ氏はまた手紙の中で、後任にティム・クック氏を推薦しています。

ティム・クック氏は現在50歳。アラバマ生まれでオーバーン大学工学部を卒業しています。デューク大学でMBAを取得後、コンパック、IBMを経て1998年にアップルに入社しました。世界中にあった工場や倉庫を閉鎖、サプライチェーンを全面的に見直しアップルの利益率を飛躍的に高めました。マックコンピュータの改善にも貢献、ハードもマーケティングもわかる経営者です。

プライベートではハイキングやサイクリングなどアウトドア派です。早朝4時半にメールを書きはじめ、日曜日の夜には新しくスタートする週について幹部と電話会議をしています。僕が知っている典型的なアメリカのハイテク企業のハードワーカーです。

クック氏は2004年と2007年に治療に専念したいスティーブ・ジョブズ氏に替わりCEO代理を務めています。このため、ジョブズ氏後任の最有力候補だったので、後任指名はサプライズではありませんでした。

ただ、このタイミングでジョブズ氏が辞任するのはサプライズでした。10月にはiPhone5が、そして来年はじめにはiPad3が発売される予定で、アップルの方向が直ぐに変わるとは思えません。ウォール街のアナリストは「アップルを知り尽くした有能な経営者」としてクック氏を高く評価しています。しかし、クック氏の力量が問われるのは、その次の新製品からです。

[August 25, 2011] No 0104839

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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