2分でわかるアメリカ

2010/04/133Dテレビは必要?


きょうからラスベガスで、全米の放送業界が最新の技術などを展示するNABが開かれています。目玉は3Dテレビです。このタイミングで、シャープが「3Dテレビを夏に発売する」ことを発表しました。パナソニックとサムスンは既に販売をはじめていて、ソニーも6月に発売する予定です。

しかし、3Dテレビは、本当に必要でしょうか。

先週末のアメリカの映画興行成績をみると、タイタンの戦い(Clash of the Titans)やアリス・イン・ワンダーランド(Alice In Wonderland)など、トップ10に4つの3D映画がランクインしています。全米には約4万のスクリーンがあり、そのうち約3000が3D対応、年末までに約4000スクリーンまで増える見通しです。今年は19の3D映画がアメリカで公開されます。



 

 
3D映画には、アバター(Avatar)やアリス・イン・ワンダーランドなど、最初から2つのカメラレンズを使って3D専用に制作されたものとタイタンの戦いなど従来の2Dで撮影して編集段階で3Dに加工された2種類があります。個人的興味と子供が10歳とまだ小さいこともあり、3D映画をほとんど見ているのですが、後者は2Dで十分だといつも感じています。

2D映画をわざわざ3Dに加工するのには理由があります。3D映画だと入館料を日本円で500円程度高く設定出来るからです。特に子供の入館料は、「大人料金+500円」と通常の倍近くになります。一方パナソニックなどのテレビメーカーは、液晶テレビが採算割れまで値崩れしたため、3Dテレビで事業を立て直す必要に迫られています。

3D映画は、いまから約60年前、1950年代にも一時的なブームになりました。当時は、テレビが普及しはじめ、映画スタジオや映画館が、テレビに観客を奪われないよう銀幕に付加価値をつけたのです。ご存知のように長続きしませんでした。景気の後退で値上げが難しい中、映画館は3D映画を上映、事実上入館料を値上げしています。DVD市場の縮小で映画スタジオはあらたな収益源を模索しています。同時にテレビメーカーは、高い値段で3Dテレビを売ろうとしています。

しかし、個人的には、ほとんどの映画は2Dで十分楽しめますし、高額の3Dテレビを買い自宅で専用メガネをかけて見たいとも思いません。

皆さんは、どう思いますか。

[April 12, 2010] No 010131

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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