2分でわかるアメリカ

2011/08/17歴史を繰り返さないようにする


「債務とデフォルトと政治の麻痺」とサブタイトルがついた欧米諸国が日本化しているという長編記事が7月31日号の英エコノミスト誌に掲載され話題になりました。日本の「バブル後の失われた20年」と類似した現象が、アメリカやドイツなどで起こりつつあると警鐘を鳴らしたものです。

「歴史は繰り返す」とよく言われますが、日本でバブルが崩壊した1990年代よりさらに歴史をさかのぼった興味深い記事が先日、ニューヨーク・タイムズに掲載されました。

それによりますと、金融危機後に地震の余震のような影響があり、その後に深刻な不況に陥ることが歴史上で繰り返されているということです。ここ1週間ほどの株式相場の乱高下は、まさにその予兆の可能性があるとしています。

ウォール街発の世界大恐慌が起こったのが1929年。その8年後の1937年から1938年にかけてアメリカはウルトラ級の不況を経験しました。製造業が37%ダウン、大恐慌時の25%から14%まで回復した失業率は19%に急上昇。株式市場のベンチマークであるダウ指数は1937年のピークから49%も下落しました。株価が半分になったということです。

メリルリンチのストラテジストは、株式相場の乱高下後に景気後退しなかったのは1966年、1987年、1998年の3回しかなく、35%の確率で不況になると予想しています。USAトゥデイの39人のエコノミストを対象にしたアンケート調査でも「30%の確率で景気後退する」との結果が出ています。

1937年当時は、政府が景気回復したとして歳出削減と増税に動きました。そしてFRBは金融引締めに転換しました。FRBのバーナンキ議長は大恐慌論で有名なミルトン・フリードマン教授の熱心な生徒でした。このため、「歴史を繰り返さないよう」に慎重な政策スタンスをとるとみられます。

恐慌後の大不況との比較まで出始めたいま、FRBの次の一歩に注目が集まっています。

[August 16, 2011] No 010482 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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