2分でわかるアメリカ

2011/08/11米格下げを巡る陰謀説と情報漏洩疑惑


S&P、スタンダード・アンド・プアーズがアメリカの格付けをトリプルAから一段階引き下げたのは、何かの陰謀だとする説が噂になっています。

S&Pの親会社マグロウヒルのファウンダーであるマグロウ家はブッシュ家と深く繋がっています。政治関連サイトのザ・ネイションによりますと、ブッシュ前大統領の祖父にあたるプレスコット・ブッシュ氏とマグロウ家は、1930年代にフロリダを舞台にしたマネーサークルで手を組んでいました。前大統領の弟がフロリダ知事というのも納得がいきます。

その後の両家の関係は密で、パパブッシュ元大統領のバーバラ夫人が主宰する基金には、マグロウ家のメンバーが名を連ねています。現在のマグロウヒルのトップであるハロルド・マグロウCEOは、ブッシュ前大統領政権時代に貿易関連の委員に任命されたこともありました。

ブッシュ家はバリバリの共和党。今回のS&Pによる格下げは、その共和党をサポートしている「ティーパーティー寄りの判断だ」と、投資家のウォーレン・バフェット氏が批判しているのも、こうした背景があります。つまり、民主党のオバマ大統領と対立する野党共和党とティーパーティーに近い判断を下したのではないかという陰謀説です。

格下げに関してもう一つ。アメリカのメディアは、S&Pが格下げを発表する前に、一部のヘッジファンドと少数の投資家に情報をリークした可能性があるとして、証券取引を管轄しているSECが調査を始めたと伝えています。

格下げが発表されたのは先週金曜日のアメリカ東部時間午後5時過ぎ。ニューヨーク証券取引所が引けるのは午後4時ですが、この日の取引では、雇用統計が予想より強かったため高くはじまりましたが、その後に大量の売りが一部で出て急落、乱高下しました。確かに怪しい相場展開です。  

今回の格下げはあまりにもインパクトが大きかっただけに、陰謀説や噂がまだまだ出そうです。

[August 10, 2011] No 010478

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.15 更新トランプ大統領、任期全うできるか12月9日からの1週間は、トランプ大統領にとって就任以来で最悪の週だった。ワシントンポストのコラムニストが伝えました。確かに、トランプ大統領に打撃となるニュース…
  • 2018.12.14 更新アメリカのガラパゴス日本に帰国する際は非接触型ICカードを使っています。JR東日本のSuicaや首都圏の地下鉄やバスで利用できるPASMO。コンビニや自販機でも使えて便利だと思いま…
  • 2018.12.13 更新FRBの利上げけん制、最後のプッシュアメリカのトランプ大統領が11日、ロイターのインタビューを受けました。ウォール街で話題に。金融情報に強い通信社による単独インタビューのため、慎重に準備したことが…
  • 2018.12.12 更新ホワイトハウスの重要ポスト先週末まで、「ホームランド」をアマゾンプライム・ビデオで毎日観ました。2011年から放送されているCIAエージェントのテロリストとの戦いを描いたテレビドラマで8…
  • 2018.12.11 更新中国がiPhone差し止め、微妙なタイミング中国の福建省福州の裁判所が、特許侵害をめぐるクアルコムとの訴訟に関し、アップルのiPhoneの輸入と販売を差し止める仮処分を下したことが明らかになりました。クア…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ