2分でわかるアメリカ

2011/08/10次のターゲットはジャパン?


S&Pによるアメリカ国債の最上級トリプルAからの格下げは世界に衝撃を与えました。世界最大の経済大国であり、基軸通貨の国であるアメリカの安全神話が崩れた格好で、マーケットが大きく動揺しました.先読みが大好きなマーケット関係者は、ムーディーズとS&P、そしてフィッチの3大格付け会社が次にどこを格下げするのか興味津々です。

ダウジョーンズによりますと、スイスの大手銀UBSは「イギリスとフランスが格下げされるリスクがある」として両国の国債を売却するよう顧客にアドバイスしています。イギリスとフランスの現在の格付けはいずれもトリプルAです。

一方、ヘイマン・キャピタルのパートナーはCNBCに対し、ヨーロッパの中央銀行であるECBがイタリア債とスペイン債を市場で買い入れていることに関連して、フランスが格下げされる可能性があるとの見通しを示しました。金融安定の基金が不足し、基金を大幅に増額することを迫られ、フランスなどの負担が重くなるためです。ドイツですら格下げされる可能性があるとパートナーは話しています。

また「次の格下げの対象になるのはフランスベルギー日本だ」とブラウン・ブラザーズのストラテジストがCNBCに話しています。この他、さまざまな憶測があるのですが、フランスと日本が狙われるという意見が目立ちます。

欧米の債務問題が世界的に注目される中、日本の巨額の債務問題は話題になりませんでした。しかし、噂されていたアメリカの格下げが発表されたことで、ジワジワと関心が集まりつつあります。

日本の債務はGDP比で200%と世界最悪。地震の影響で債務は今後さらに膨らむことは明らかです。財政再建に関しても政治的リーダーシップが欠如していますし、イタリアと同様に少子高齢化が顕著です。  

元JPモルガンで「プロパガンダ」で知られる藤巻健史さんは最新の著書の中で「日本国債の未達がいつか起こる」と指摘しています。国債を引き受けている機関投資家が国債を購入する余裕がなくなるため、日本政府が資金調達のために発行する国債が売れ残る可能性があると警鐘を鳴らしているのです。賛否両論あると思いますが、何かのきっかけで「日本売り」が急激にはじまる日がいつか来るのではないかと思います。

[August 09, 2011] No 010477

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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