2分でわかるアメリカ

2011/08/04雇用統計とFOMC控え思惑さまざま


世界が注目したアメリカのデフォルトは回避されましたが、株式相場がパッとしません。S&P500指数はきのう、今年の年初の水準を下回り、多くのテクニカル・アナリストが「調整のサイン」とする200日移動平均を下回りました。きょうも売りが先行しました。

先週金曜日のGDP、月曜日のISM製造業景気指数、きのう発表された個人支出がいずれもエコノミストの予想に届かず、景気悪化の兆候が増え「2番底懸念」が広まっていることが背景です。

こうした中、7月の雇用統計が5日金曜日に発表されます。

エコノミストの平均予想は「非農業部門の雇用8万5000人増加、失業率9.2%」です。しかし、今回の場合、平均値と比べ相当弱い予想が目立ちます。RBSのエコノミストは、「非農業部門の雇用増は1万8000人しか増えないのではないか」とCNBCに語っています。

弱い予想には理由があります。今月に入り大規模なレイオフを発表した企業が相次いだからです。大手銀行のバークレイズとHSBCは、それぞれ3千人、3万人のレイオフを今週発表しました。薬品大手のメルクもレイオフを拡大しますし、書店チェーンのボーダーズは閉鎖されるため、1万700人が失業します。

雇用統計の参考となるADPがまとめた全米雇用報告では雇用が11万4000人増えました。予想を上回る内容です。ただ、ADPと労働省がまとめる雇用統計に大きなギャップがあったことが多く、予断を許しません。

 雇用統計の発表から週を挟んで9日火曜日には、FRBが金融政策を決める FOMCが開催されます。  

FOMCで追加的な金融緩和、つまりQE3が決まるなどとは誰も考えていませんが、声明のトーンがより慎重、あるいは弱気なものになる可能性があります。また、超低金利をさらに長く継続するという文言に変わるとの見方も少なくありません。さらに、保有している証券などを手放さず長期間保有しバランスシートを大きいままにするというサインを出すとの観測もあります。

今回の雇用統計とFOMCは、これまでにないほど注目ですね。

[August 03, 2011] No 010472

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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