2分でわかるアメリカ

2011/08/03格付け会社が問い合わせる不完全な法案


債務上限を引き上げる法案を2日、下院に続いて上院も可決しました。法案は直ぐにホワイトハウスに送られ、オバマ大統領が署名すれば法律になります。期限ギリギリでまさに間一髪でした。

法律が成立したことで、「債務上限が2兆ドル以上引き上げられデフォルトを回避、財政赤字は今後10年で2.4兆ドル削減される」と伝えられていますが、誰もが考えているより不完全で複雑です。

アメリカ議会の予算事務局の分析によりますと、法案の概要は以下のようになります。

● 2021年まで歳出に上限を設定する
● 不適切な福祉予算をカットすることで必要な追加支出を増やす
● 学生ローンなどを変更する
● 予算に関しては上下両院の合同法案の可決が必要
● まず債務上限を4000億ドル引き上げる。追加には2つの段階を経て上限が2.1兆から2.4兆ドル引き上げられる
● 予算執行の特別ルールを取り決める
● 財政赤字削減のため上下両院合同の特別委員会を設置し少なくとも10年間で1.5兆ドルの財政赤字削減を達成する
● 合同委員会が財政赤字削減に失敗した場合は、1.2兆ドルを自動的に削減する

 オバマ大統領は「長く面倒なプロセスで満足にはほど遠い」と語っています。複雑なわりに具体策に乏しい法案は妥協の産物です。財政への影響、経済全体へどう影響するのか判断できません。CNNによりますと、格付け会社は法案の内容を何度も問い合わせているそうです。 

デフォルトは少なくとも今後2年は回避されましたが、債務問題は今後も引きずりそうです。

[August 02, 2011] No 010471

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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