2分でわかるアメリカ

2011/07/158月3日の米はどうなるか


CBS、ABC、NBC の三大ネットワークやCNNは、8月2日に期限を迎える連邦政府の債務上限の引き上げをめぐるホワイトハウスと議会の対立を連日トップニュースで伝えています。新聞各紙もトップです。

デフォルトとは、現金が不足して国債の償還や利払いが出来なくなる状態を言います。過去にアルゼンチンやロシアがデフォルトしましたが、これらは本物の「破たん」でしたが、今回アメリカで可能性が指摘されているのはテクニカルなデフォルトです。

つまり、債務上限引き上げを法律で認めさえすれば、アメリカの財務省は国債を発行、世界の投資家がこれまで通り買うことになります。別の言い方では、政治的な駆け引きの結果として一時的にデフォルト状態になる可能性があるということです。  

それでは、アメリカが実際にデフォルトになったらどうなるか。オバマ大統領は先日の記者会見で「社会保障が払えなくなる」と言っています。ウォール・ストリート・ジャーナルは、8月1カ月で1340億ドルが不足すると伝えました。

本物のデフォルトの場合は、国が破たんするわけですから、社会保障も軍人を含めた政府職員への給与も払えなくなりますし、政府関連機関が閉鎖される可能性があります。もちろん国債の利払いもストップします。しかし、今回のデフォルトではそうならないとABCニュースが解説していました。

デフォルトになったら金利が上がるという人もいます。JPモルガンとピムコは、それぞれ金利が0.5%上がると予想しています。もしそうなると、住宅ローンの金利やクレジットカードの金利が上がりますから、消費者に深刻な影響を与えることになります。

最も影響が出そうなのが金融市場です。FRBのバーナンキ議長は「金融危機が再来する」と警鐘を鳴らしています。JPモルガンは株式相場が3カ月で9%程度下がると予想しています。ドルの信認が低下し幅広く売られるとの見方もあります。ムーディーズは米国債の格付けを引き下げる方向で見直すと発表しました。

アメリカを一旦デフォルトにすれば株式相場が急落するそうすれば議会が譲歩する理由が出来る」という専門家もいます。ただ、政治的な理由でデフォルトにするのは、代償があまりにも大きすぎると思うのですが。

[July 14, 2011] No 010457

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.09.22 更新25-26日のFOMCが注目される訳※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカの中央銀行にあたるFRBが25日と26日の2日間に渡…
  • 2018.09.21 更新予想されたダウ最高値、先高観※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)ニューヨーク株式マーケットを代表であるダウ30が、20日の取…
  • 2018.09.20 更新トランプ政権が恐れていること※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカと中国の関税合戦がエスカレート。どちらも引かず、泥沼…
  • 2018.09.19 更新最高裁判事承認が注目される訳※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)「アニタ・ヒル事件」はセクハラ疑惑の先駆けと言われています。…
  • 2018.09.18 更新ITで稼いでアナログを買う※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカのメディア大手メレディスは16日、ニュース誌「タイム…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ