2分でわかるアメリカ

2011/07/01世界が注目しないジャパン


グローバル、そしてインターネットの時代、世界中の報道がどこにいても入手できます。僕はアメリカで毎日、NHKや民放のニュースを見ています。

その日本発ニュースの中で、ときどき「あれ」とニュース原稿に驚くことがあります。例えば、菅直人首相の退陣時期を巡るニュース。退陣時期を巡る政局の混乱を伝えるニュースの原稿は「世界が注目しています」と締めくくられていました。

個人的には、菅直人首相がいつ退陣するかどころか、誰が日本の総理大臣か「世界」は知らないのではないかと思います。ドイツのメディアが先日、G8の苦悩を描いた風刺画を掲載した際に「麻生元首相そっくりの顔」が描かれ話題になりました。

見識が高いと思われるドイツのジャーナリストですらそのレベル。ましてやアメリカの一般の人が日本の首相の顔と名前のクイズをしたら、正解する人はほとんどいないと思います。恥ずかしいのですが、ロシア人の僕の妻ですら日本の首相が誰か知りません。

10年ほど前まで、アメリカのメディアに日本の政局や社会現象が取り上げられることが多くありました。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストといった主要紙がアメリカへの影響を論じることもありました。しかし最近は、地震と原発を除くと、日本が大きく報道されることはありません。日本のトップの顔がまったく見えません。

なぜか。頻繁に首相交代があること、官僚が準備した原稿を読む以外に国際会議で目立った発言やパフォーマンスをしないこと、英語力の問題でオバマ大統領をはじめ各国トップと直接会話しないこと、数えたら切りがありません。でも、日本の国力が低下しメディアが取り上げなくなったことが最大の理由ではないかと考えます。

日本の政局は世界が注目しないけれど、福島第一原発の動向は世界が注目しています。でも考えてみれば、原発というネガティブなニュースでも、日本の首相が全面に出て世界にメッセージを発信することは難しくないですが。

[June 30, 2011] No 010447 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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