2分でわかるアメリカ

2011/06/22ソフトパッチとハードパッチ


最近、SOFT PATCH(ソフトパッチと発音)という言葉を耳にしたり目にしたりします。バナナなどが傷んで柔らかくなった部分、または地面がぬかるんでいる時に使う英語の表現なのですが、経済用語では景気が回復する過程で一時的に足踏みをする状態を指します。

FRBの前議長であるグリーンスパン氏が使用したことで、ウォール街やワシントン、そしてメディアなどで幅広く使用されるようになりました。

アメリカ経済が減速していることを示す経済指標が過去2、3週間で相次ぎました。ウォール街やメディアは「これはソフトパッチ」と表現しています。また、ソフトパッチとFRBの金融政策の関係にも注目が集まっています。

FRBは、アメリカの金融政策を決めるFOMCをきょう21日から2日間に渡って開いています。去年11月に決めた6000億ドルの国債の追加買い入れ(QE2)がもうすぐ終了します。  

FRBの量的緩和策によって、外国為替市場ではドル安が進み、今年春の株高や商品高を招いたとされています。しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルは「量的緩和が安定した自律的な回復につながった過去の事例はほとんど見当たらない」と指摘しています。

ウォール街またはマーケット関係者は、FRBのバーナンキ議長はFOMC後に予定している記者会見で、いまの景気減速は一時的な現象つまりソフトパッチだとの見方を示すものと予想しています。ソフトパッチであれば「一時的」ですので、新たな国債追加買い入れ(QE3)が実施されない可能性が高いとみられます。

アメリカの投資アドバイザーの多くは「100から年齢を引いたパーセントを株式に投資するべき」と顧客にアドバイスしています。つまり、30歳の人は「100-30」の70%を株式に投資、50歳の人は資産の半分を株式投資するのが「賢い」としているのです。

株式相場は先月1カ月で7%下落しました。その一方、ガソリン価格は今年はじめから21%上昇しました。消費者の心理が悪化するのは当然と言えます。2番底を表すハードパッチ(HARD PATCH)またはラフパッチ(ROUGH PATCH)になるか、それとも広く考えられているソフトパッチなのか、消費者の動向次第です。

[June 21, 2011] No 010440

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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