2分でわかるアメリカ

2011/06/18米国人は賃貸、外国人は郊外の豪邸


アメリカ史上最高額の家の売却が決まり話題になっています。売却されたのはロサンゼルスの郊外にある故アーロン・スペリング氏が1991年に新築したフランスのお城のような豪邸です。スペリング氏は、「チャーリーズ・エンジェル」や「スタスキー・アンド・ハッチ」など人気テレビのプロデューサーでした。

豪邸は1億5000万ドル(約120億円)で売りに出されていました。購入価格は明らかにされていませんが、買ったのは22歳のイギリス人女性。クロアチア人のファッションモデルの母とフォーミュラ・ワンのオーナーで大富豪の父を持つペトラ・エクレストンさん。エクレストンさんは、ロンドンの中心部チェルシーに6階建てのビルも5600万ポンド(約72億8000万円)で購入しています。

同じカリフォルニアのシリコンバレーで、ロシア人投資家のユリ・ミルナーさんが今年はじめに1億ドル(約80億円)で豪邸を買いました。さらに、ロシア人の作曲家であるイゴル・クルトイさんと妻のオルガさんが4800万ドル(約38億4000万円)でニューヨークのコンドミニアムを最近購入しました。

アメリカの不動産不況で住宅価格が下がり、ドル安も手伝って外国人による大型の買い物が目立つ一方で、普通のアメリカ人は、郊外の大きめの一軒家から職場に近いアパートに引っ越しています。

UCLAがまとめたカリフォルニアの最新の不動産報告によりますと、ロサンゼルスやサンタバーバラ、サンフランシスコなど海に近い都会のアパートの需要が高まっています。家賃が下がったからではなく、ガソリン高で郊外から職場に行くコストが大幅に上がったためです。この傾向は今後も続くとしています。反面、郊外の一軒家は需給関係が崩れ、値崩れが鮮明に出ています。

もちろんアメリカにはお金持ちが大勢います。その数は世界一です。イギリスやロシアの中間層の暮らしはアメリカの中間層より厳しいかもしれません。でも、豪邸を買う外国人と、家を手放し賃貸アパートに住むアメリカ人が最近目立つのは、今の時代の反映だと思います。  

[June 17, 2011] No 010438

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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