2分でわかるアメリカ

2011/06/17街の経済指標は悪化の一途


さまざまな経済指標が世界中で発表されますが、生活していて感じる景況感とのズレがあることが多くあります。このため僕が東京、そしてニューヨークで暮らした際は、タクシーを利用するごとに景況感を聞いていました。ロサンゼルスでは自分で運転をするため、タクシーはほとんど使いません。このため、僕は美容室で景況感を確認しています。

きのう髪を切りに行きました。僕の美容師はアポイントがある顧客だけを対象にしているのですが、一年前と比べ売り上げが30%ほど減ったそうです。美容室は6月から9月、つまり夏になると髪を短くしたり、イメージを変えたりする人が増えるそうです。つまり今は忙しくないといけない時期なのですがきょうはアポイントが入っていないと言っていました。

サンタモニカやブレントウッドに住む裕福な白人の中年女性が毎週、髪を洗いに来ていたそうですが、今年に入り一人も来なくなったそうです。プライベート・ジェットをリースする会社に勤めていて羽振りの良かった中年の男性客も行方が分からなくなったと言っていました。美容室で聞いた景況感は去年よりかなり悪くなっていました

僕が週に一回程度利用している日本食レストランに行きました。ランチの寿司セットがリーズナブルで、しかも美味しかったので気に入っていたのですが、最近、板前さんが解雇されました。ベテランの板前さんは給料が高いので、「新しい人を安く雇うため」とウェイトレスがこっそり教えてくれました。

僕がニューヨークからロサンゼルスに引っ越した8年前と比べ、ガソリン価格は3倍になっています。スーパーに行くと、牛乳やタマゴ、トイレットペーパーなど生活必需品が去年と比べ大幅に値上がりしています。  

きょう16日に発表された経済指標は予想ほど悪くありませんでした。このため、マーケットでは楽観論が広がりました。個人的に「本当かな」と思いました。街の経済指標では改善の兆しが見えないからです。

[June 16, 2011] No 010437

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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