2分でわかるアメリカ

2011/06/16北朝鮮との国境に隠されたモノ


アメリカと「冷たい戦争」をしていたロシアが、スパイの隠れ家とされたブリュッセルを拠点にしていたことも影響して、僕は昔からスパイ小説やスパイ映画が好きです。フィクションほどスケール感がないのですが、いまの時代の工作活動の一部をニューヨーク・タイムズなどが伝えていてスパイ好きの興味をそそりました。  

まずは北朝鮮。北朝鮮との国境に近い中国の吉林省や遼寧省の山の中に携帯電話が埋められているそうです。北朝鮮から脱出した住民が支援者と連絡を取るためのものです。誰が埋めたのか不明ですが、北朝鮮や中国政府でないことは間違いないでしょう。アメリカの領事館職員の面談で明らかになったようなのでアメリカでもないようです。個人的には「バッテリーは大丈夫なのか」と思いますが。

次はアフガニスタン。アフガニスタンの反政府勢力であるタリバンが通信網を破壊する可能性があります。このため、アメリカ政府は5000万ドルを投じて「陰の携帯電話網」と言える独自の通信網を築いたそうです。タリバンは、国際テロ組織のアルカイダを保護したことで知られますが、オサマ・ビンラディン指導者が死亡した今もタリバンがアメリカ政府の脅威であることは変わりません。

3つ目は中東です。エジプトの反政府勢力は、フェイスブックやツイッターなどのソーシャル・メディアで連絡を取り合いムバラク大統領(当時)を退陣に追い込みました。ソーシャル・メディアは、インターネットもしくは携帯電話がないと利用できません。しかも、インターネットは独裁政権の検閲・監視を受ける可能性があります。

そこでアメリカ政府は現在、民主運動家などが当局を迂回してネットに接続できるシステムを開発中。レーダーに探知されない偵察機の「ステルス」を文字ってステルス・ワイヤレス・ネットワーク。スーツケースに一式が入っているため「スーツケース・インターネット」とも言えます。プロジェクトの推進役はヒラリー・クリントン国務長官です。

いずれも、冷戦時代にはなかった工作で、通信に関連するものです。「情報が勝利の鍵」ということですね。

[June 14, 2011] No 010436

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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