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2011/06/11「陰の世界サミット」で通貨も?


欧米のパワーエリートが非公式に、そして秘密裏に意見を交換するビルダーバーグ会議が9日からスイスのサンモリッツではじまりました。1954年以来、ヨーロッパの王室、そして欧米の政界、財界の幹部が年に一度集まり、世界の諸問題を話し合います。マスコミはシャットアウト、声明も出されないため、「陰の世界サミット」と呼ばれています。

日本のマスコミはほとんど報じませんが、会場となっているスイスのローカルメディアが「厳戒態勢になっている」とセキュリティが異常に強化されていることを伝えていますが、何を話し合うのか誰が出席するのかなどは不明です。

IMFのトップも過去の会議に参加していますが、ストロスカーン前専務理事は保釈中の身でニューヨークから離れられませんし、最有力の後継候補であるフランスのラガルド財務相は中国訪問中です。

イギリスのキャメロン首相とオズボーン財務相も出席した実績がありますが、今年参加するかどうか不明です。謎だらけの会議ですが、約120人のアメリカとヨーロッパのトップエリートがいまスイスにいることは間違いありません

2009年はギリシャ、去年はスペインで開催されましたが、その約1年後に金融支援がまとまりました。1991年には当時無名だったアーカンソー州のビル・クリントン知事(当時)が出席、翌年92年の大統領選挙で勝利しました。

ヨーロッパでは債務問題が深刻、アメリカでは来年大統領選挙が実施されます。こうした中で密かに開催された今年のビルダーバーグ会議は注目に値します。タイミング的にもG8やG20、ダボス会議よりも重要かもしれません。役人が用意したたたき台を話し合うのではなく、本音の話し合いだからです。  

個人的には、ヨーロッパの債務問題と原発問題が重要議題になっているのではないかと思います。中東の民主化と原油の問題も当然意見交換されるでしょう。そして、会場となっているスイスの通貨が安全資産として高騰していることもあり、通貨問題でも意見交換があるかもしれません。特に、原発と通貨は日本にとって重要なテーマですが、過去に招待された日本人はいませんので、今回も日本抜きになるとみられます。

G7やG8に日本が参加、中国をはじめとする新興国の影響が強まりG20の重要性が増しているとされていますが、世界はまだ欧米中心に動いているのかもしれません。ビルダーバーグ会議は12日まで開催される予定です。

[June 10, 2011] No 010434

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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