2分でわかるアメリカ

2011/06/04米も震える「危険な野菜」


ドイツのハンブルグを発生源とする大腸菌O-104による食中毒がヨーロッパ全土に広がっています。イギリス、デンマーク、スウェーデン、オランダ、フランス、スイス、スペイン、オーストリアなどでも感染が報告されています。

これまでに18人が死亡、少なくとも1600人が食中毒を訴えました。当初はスペイン産のオーガニックのキュウリが原因とされていましたが、「シロだったことが判明、原因がトマトなのか、レタスなのか、他の野菜なのかいまだ特定されていません。

ロシアは、ドイツやスペイン産のキュウリやトマトなどの輸入を禁止したほか、ベルギーやドイツなどでもスペイン産キュウリの輸入を事実上ストップしています。パニック状態と言えるほど食の安全が脅かされています

アメリカでは、対岸の火事ではなく、同様の食中毒が発生する可能性があると専門家はみています。1993年にファーストフードの肉からO-157が大量に検出され社会問題になった他、2006年にはホウレン草から毒性が強い大腸菌が発見されスーパーマーケットからホウレン草が消えました。

アメリカ国内の大腸菌などによる食中毒は年平均6万3000件他の原因を含めると年間11万2000人のアメリカ人が食中毒の被害を受けている」とAPが報じています。こうしたことから、今回のヨーロッパの食中毒には関心が高く、ニューヨーク・タイムズなどアメリカの主要メディアが連日トップ級で報じています。  

ヨーロッパの食中毒拡大を受け、アメリカの保健当局は、アメリカで野菜や肉の検査を強化しました。また野菜農家は、野菜畑と家畜との間に一定の距離を置く対策を取っていますが、毒素が強い病原菌が排除されるとの保証はありません。

グローバル化が進み、世界中の病原菌が短期間で広がるリスクが高まっています。また、昔と比べ衛生管理が進んだ結果、人体の抵抗力が弱まっていることが被害を大きくしているとの指摘もあります。

いずれにしてもアメリカではオーガニックブーム。依然より野菜を多く採る傾向があり、大腸菌を巡る騒動は当面続きそうです。

[June 03, 2011] No 010429

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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