2分でわかるアメリカ

2019/04/23不動産低迷、シドニー、ロンドン、ニューヨーク

オーストラリアの住宅価格の下落が顕著です。西端のパースはピークから18%下落。最大都市シドニーは14%ダウン。メルボルンの住宅価格は10%下げました。供給過剰、ローン審査の厳格化などが背景だとされています。下落幅は予想以上で、中央銀行が金融政策を決める会合で長い時間を割いて分析、議論したほどです。

遠く離れたロンドンでは、ここにきてブレグジット(イギリスのEU離脱)をめぐる混乱が商業不動産に影響しはじめたようです。

世界的な金融センターであるシティの不動産は、2016年6月の国民投票で離脱が決まった後も、低迷した住宅市場とは異なり、堅調に推移していました。外国からの資本流入がシティの商業不動産市場を支えました。しかし、フィナンシャルタイムズは、2018年第4四半期(10-12月)以降に投資家が慎重になったと伝えました。シティの不動産への投資が前年同期比で17%も減少しました。

一方、アメリカでは、経済全体をけん引してきた住宅市場に陰りがみえます。全米不動産業協会が22日発表した中古住宅販売は前月比で4.9%のマイナス。予想(3.8%減)以上の減少、マイナス幅は2015年11月以降で最大でした。2月分の統計は速報値から下方修正されました。

日本と事情が異なり、アメリカの中古住宅は住宅市場の売買の9割近くを占めます。去年末から年初にかけては米10年国債利回りと連動する住宅ローン金利が上昇した影響が指摘されました。しかし、FRBが年内の利上げを見送ることを示唆したことで、国債利回りが低下、連動して住宅ローン金利も下がりました。それなのに売買は低調。トランプ大統領の税制改革で住宅ローン金利の所得控除が制限されたこと、価格が高止まりしていることなどが背景とされています。

オセアニア、ヨーロッパ、アメリカ。3つの異なる地域で同時に進む不動産の低迷。単なる偶然なのか。それとも世界的な景気減速の兆しでしょうか。

 [April 22, 2019] No 031844131

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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