2分でわかるアメリカ

2019/02/12 時間がないブレグジット

3月29日に定められたブレグジット(イギリスのEU離脱)まで約1カ月半。離脱後のEUとの関係を詳細に決める協定はまだ成立していません。

EUの行政執行機関である欧州委員会とメイ首相が合意した離脱案をイギリス議会が否決。イギリス野党の労働党のコービン党首は、離脱案に合意するために完全な関税同盟を含む5つの条件を求めています。メイ首相が先週、ブリュッセルで欧州委員会と協議しましたが不調に終わりました。

一方、EU側のバルニエ首席交渉官は11日、3月29日までに条件などで合意する時間が極めて短いとの認識を示しました。その上で、野党の提案を検討することをメイ首相に促しました。メイ首相は12日、離脱交渉の最新の状況について議会で説明する予定だと報道官が発表しました。

フィナンシャルタイムズは、メイ首相が、労働者の権利と環境保護に関して野党に歩み寄る姿勢を示唆したが、EUと関税同盟を締結する野党提案は拒否する方向だと報じました。(ロビー活動で知られる)CBIが「ブレグジットは非常事態にあり、本当に危険だ」と指摘しているとしています。

CNBCは、イギリス企業が、国内ではなく、EU加盟国に積極的に投資しているという研究結果が発表されたと伝えました。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの最新の研究によると、ブレグジットの不透明感を背景に、イギリス企業によるEUへの投資が100億米ドルに達したとしています。半面、EUの企業によるイギリスへの投資が減少したと加えました。

イギリス統計局が11日発表した2018年第4四半期(10-12月)のGDP速報値は前期比0.2%増で、前期の0.6%増から鈍化しました。2018年通期では6年ぶりの低成長を記録しました。

ニューヨークタイムズは、ブレグジットに絡みイギリス経済が低迷しているが、対岸の貿易立国オランダはビジネス拡大の機会だと考えているとアムステルダムから報じました。

[February 11, 2019] No 031844067

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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