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2019/01/12フェイクな非常事態も

メキシコとの国境に壁を建設する予算をめぐるトランプ大統領と議会の対立で、双方が歩み寄る兆しが全くありません。9つの省庁、全体の25%にあたる予算が未成立。予算切れによる政府機関の一部閉鎖が11日で21日目に入りました。1995年のクリントン政権下で起きた過去最長に並びました。

トランプ大統領は10日、非常事態を宣言してでも壁建設の必要性を訴える目的でメキシコとの国境があるテキサス州マッカレンを訪問しました。「犯罪が多発してカオスだ。死者が出ている」とトランプ大統領が強調しました。しかし、大統領に同行したABCの記者が現地の当局者にインタビューしたところ、去年の犯罪による死者はゼロだったことがわかりました。

ニューヨークタイムズは、トランプ大統領が「フェイクな非常事態」を宣言しようとしているとして、誰かが紳士的に方針を変えるよう進言する必要があると社説で主張しました。

ロサンゼルスタイムズは、メキシコ国境の壁の公約という自らまいた種から逃れるため、国家非常事態を宣言しようとしているとするコラムを掲載しました。アメリカでは伝統的に選挙公約は深い意味をもたないとしています。

ワシントンポストは、メキシコとの国境の壁を建設するための予算について、議会を通さず、甚大な自然災害の被害を受けた地域の復興費の一部をつかうことをホワイトハウスが検討していると報じました。

ニューヨークタイムズは、空っぽのホワイトハウスのデスクに未払いの請求書が山積みになっていると伝えました。ホワイトハウスの359人の正規職員のうち156人しか勤務が認められていないとしています。

11日は連邦政府職員の給与日でしたが、80万人の職員の口座への振り込みはありませんでした。政府機関の一部閉鎖があと2週間続けば、経済的損失が60億米ドルを超えるとS&Pが試算していて、トランプ大統領が要求している壁建設予算を超えることになるとCNBCが報じました。CNBCはまた、空港管制官の組合が、政府閉鎖に絡む給与未払いでトランプ政権を訴えたと伝えました。

[January 11, 2019] No 031844047

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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