2分でわかるアメリカ

2018/06/01「ベンツを五番街から締め出したい」

アメリカのトランプ政権は31日、カナダ、メキシコ、EUに対し、鉄鋼製品に25%、アルミニウムには10%の輸入関税を適用すると発表しました。1日に発動されます。


カナダ、メキシコ、EUに対しては貿易をめぐり交渉中だとして、暫定的に2カ月間適用除外としてきました。ロス商務長官は発動後も交渉を続ける意向を示しましたが、反発は必至です。EUは早くも対抗措置を準備していることを明らかにしました。メキシコはアメリカの農産物などに対する報復関税を検討しています。カナダのトルドー首相は「絶対に受け入れられない」と批判しました。


ウォールストリートジャーナルは、トップで詳しく報じました。関税導入は、最大限の圧力で同盟国から譲歩を引き出そうとするトランプ大統領の戦略だが、輸入物価を押し上げ、アメリカの輸出品に打撃を与え、同盟国との関係が長期的に悪化するという高いリスクがあるとしています。


ニューヨークタイムズもトップで伝えました。新たに関税適用が発動されたカナダ、メキシコ、EUのほか、中国、ロシア、トルコもアメリカに対する報復措置を検討しているとしています。アメリカ製品に対する制裁は、深刻なものになると予想されると解説しました。


ムーディーズは、鉄鋼とアルミニウムの関税は、一部の国内鉄鋼メーカーにとって恩恵となる可能性があるが、アメリカ経済には痛手となる可能性が高いとの見方を示しました。


鉄鋼とアルミニウムの輸入関税により、自動車のコストが上がると懸念されています。トランプ政権はさらに、アメリカに輸入される自動車に対する関税を最大25%に引き上げることも検討しています。


ドイツの週刊誌ビルトシャフツ・ボッヘは、トランプ大統領がドイツ車をアメリカから締め出そうとしていると報じました。4月に会談したフランスのマクロン大統領に対し、メルセデス・ベンツがニューヨークの五番街を通らなくなるまで自身の貿易政策を維持する方針だと述べたとしています。


ロイターによると、ドイツ車はアメリカの高級自動車市場の90%のシェアを占めています。


 [May 31, 2018]  No 031843904

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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