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2018/05/23「エルドアノミクス」を警告、トルコリラ急落

格付け会社のフィッチは22日、金融政策の独立性が大幅に後退すれば、トルコのソブリン格付けを一段と圧迫することになると警告しました。エルドアン大統領の発言の影響が金融政策だけではなく経済政策全般におよび、6月24日の選挙後の見通しが予想しづらくなる可能性があるとしています。


エルドアン大統領は、先週の訪英中の投資家との昼食会やブルームバーグTVのインタビューで、高い金利が高いインフレ率を招いていると指摘し、選挙で勝利すれば、金融政策の決定への自らの発言力を強化すると述べています。


フィッチの発表を受け、トルコリラの対米ドル相場が急落、一時最安値の4.66リラまで売られました。対円相場は23.70円台に急落、最安値を更新しました。トルコリラは、対ユーロ、対英ポンドでも最安値を記録しました。


フィナンシャルタイムズは、トルコリラが今月初めから13%下落したと報じました。高インフレと大きな外貨建て債務を抱えるトルコの通貨急落は、他の新興国よりも不安が大きいとするアナリストの見方を引用しました。


ロイターによると、格付け大手スタンダード&プアーズが、通貨売りの圧力を止める措置を講じないと、トルコのアウトルック(格付け見通し)を見直す可能性があると警告しました。


ブルームバーグは、トルコの方が格付けが高く、経済規模が60倍も大きいにもかかわらず、トルコ債の利回りはセネガルを上回ると伝えました。アナリストがエルドアン大統領の経済政策「エルドアノミクス」を原因に挙げているとしています。


 

[May 22, 2018]  No 031843899

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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