2分でわかるアメリカ

2018/04/112つの通商問題

マーケットでは今週、貿易に絡む2つのイベントが注目されました。


1つ目は中国。米中貿易戦争への懸念が強まる中、習近平国家主席が中国海南省で開催中のボアオ・アジア・ファーラムで基調演説しました。習近平主席は、自動車から銀行まで多岐にわたるセクターの市場を開放する方針を示しました。知的財産権の保護を強化するとも宣言。トランプ政権の輸入制限に関する直接的な言及はありませんでしたが、「冷戦思考に回帰すべきではない」と述べました。


ウォールストリートジャーナルは、習近平主席の演説が米中貿易戦争への懸念を和らげ、ニューヨーク株式相場は急上昇したと報じました。テクノロジー株の上昇が目立ったとしています。


ニューヨークタイムズは、トランプ大統領が関税と輸入制限に動く中、中国の習近平主席が市場開放にコミットし、対立より対話を重視する姿勢を強調したと伝えました。習近平主席のコメントは、トランプ大統領と政権から発せられる攻撃的な言葉とは対照的だったとしています。


CNBCは、習近平主席は輸入車の関税引き下げを含めた「開かれた中国」の計画を発表したと詳しく報じました。アジア版ダボス会議と言われるボアオ年次会合での基調演説で輸入拡大の方針を強調したとしています。


今週もう1つの注目は、ペルーのリマで13日と14日に開かれる米州首脳会議。トランプ大統領が出席予定でしたが、キャンセルになりました。サンダース大統領報道官が明らかにしました。アメリカの大統領が米州首脳会議に欠席するのは初めてのことで、ペンス副大統領が代理出席します。


ワシントンポストは、化学兵器で市民を攻撃した疑いがあるシリアへの対応でトランプ大統領は国内に留まることを決めたと伝えました。ブルームバーグは、トランプ大統領がペルー訪問を取り止めたことについて、北米自由貿易協定(NAFTA)の原則合意は近くないことを示す形になったと報じました。


[April 10, 2018]  No 031843873

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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