2分でわかるアメリカ

2018/02/06米国債利回り上昇をどうみる

歴史的な長さとなった米国債のブル(強気)相場に変化の兆しが出ています。先週以降、米国債の売りが膨らみ、結果として利回りが急上昇しました。週明け5日の取引では、米10年国債の利回りが一時2.88%まで上昇しました。インフレ率の上昇により、FRBの利上げペースが速まるとの懸念が主な背景です。


米国債利回りの上昇を受け、最高値圏で推移していたニューヨーク株式相場が崩れました。外国為替マーケットでは、米ドル相場の振れが大きくなりました。


ロイターは、米金利上昇がスポットライトを浴び、投資家が株式はもはや利益追求のための唯一の投資先ではないとの新しい現実を認識したと解説しました。


ブルームバーグは、米国債利回りと株式益利回りの格差が8年ぶりの低水準に縮小したと伝えました。金融危機以降の株式のセールスポイントに疑問符が生まれたとしています。


ウォールストリートジャーナルは、世界的に国債が売られ利回りが上昇、株式相場は崩れたが、債券市場全体では影響がまちまちだと報じました。米国債利回りの上昇を受けた投資適格級の社債の利回り上昇は限定的だとしています。特に格付けが高い社債はほとんど影響を受けていないとしています。


フィナンシャルタイムズは、米国債利回りの上昇で、株式が売られたほか、住宅市場、企業の資金調達、金融の安定、経済成長などへの懸念が高まったが、悪いことばかりではないと伝えました。利回り上昇がドイツなどにも広がっていること、金利水準がまだ歴史的に低いことなどを考えると、利回り上昇は先進国経済が健全化に向かうパラダイムの変化だとしています。


 [February 05, 2018]  No 031843830

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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