2018/01/17記録達成後に急落したNYダウ
2万5000台を突破したのが1月4日。わずか7取引日で次の節目に乗せました。ダウ120年の歴史の中で、過去最速の上昇ペースを記録しました。
トランプ政権の税制改革、大型のインフラ投資、規制緩和への期待で2016年末に始まったダウの上昇基調。2017年は、企業収益の増加も追い風となり、ダウは約25%上昇しました。勢いが2018年に入っても続いていることを示した格好です。
ウォールストリートジャーナルは、2017年第4四半期の決算が本格化する中、決算がアナリスト予想を上回るとプロの投資家がみていて、強気な見通しがダウを押し上げたと解説しました。
ワシントンポストは、わずか7取引日でダウが2万5000から2万6000に上昇、長期間続くブル(強気)相場がまだ「生きている」ことを示したと報じました。2018年はまだ16日しか経っていないが、ダウは5%超上昇したとしています。投資家の多くが、どこまで上昇するのか思い描いていると伝えました。
しかし、ニューヨーク株式マーケットの終盤の取引で売りが増え、下げに転じました。283ポイント高まで上昇したダウは、一時100ポイント超下げました。変動幅は400ポイント近くに達しました。予算をめぐる議会調整が難航、政府閉鎖への懸念が背景です。
その後やや買い戻され、ダウは結局、10ポイント安で取引を終えました。
商業不動産投資などで成功したビリオネアのサム・ゼル氏は、出演したCNBCで、記録づくしの株式相場についてファンダメンタルズではなく、感情的なものが背景だとコメントしました。現在の状況を「irrational exuberance(根拠なき熱狂)」のようだとしています。
[January 16, 2018] No 031843816
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【データ提供】
松島 新(まつしま あらた)氏

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。
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