2分でわかるアメリカ

2017/12/07批判の嵐、アメリカ外交政策の転換

アメリカのトランプ大統領は6日午後、ホワイトハウスで演説し、イスラエルの首都をエルサレムと正式に認定しました。テルアビブにあるアメリカ大使館をエルサレムに移転させる準備を国務省に指示したことを明らかにしました。パレエスチナに配慮して、2国が共存する平和解決策を支持すると表明しました。

1995年の法律で、アメリカの大統領は半年に1度、イスラエルの大使館移転を判断することになっています。ビル・クリントン、ジョージWブッシュ、オバマの歴代大統領はいずれも判断を先送りしてきました。トランプ大統領も今年6月に先送りを決めましたが、半年後のいま、公約通りエルサレムへの移転を決断しました。

エルサレムはユダヤ教のほか、キリスト教とイスラム教の聖地でもあります。国際社会はエルサレムをイスラエルの首都と認めておらず、日本を含む86カ国がテルアビブに大使館を置いています。トランプ大統領の歴史的決断をイスラエルが歓迎していますが、国際社会、特に中東各国の強い反発を招くことが確実です。

ニューヨークタイムズは、トランプ大統領のエルサレム首都認定について、約70年続くアメリカの外交方針を転換させるものだと報じました。アラブ各国やヨーロッパの首脳のほか、バチカンや中国の外務省まで、世界中の批判を招いたとしています。

ワシントンポストは、イギリス、ドイス、フランスなどアメリカの同盟国が相次いでトランプ大統領の判断を批判したと伝えました。

ニューズウィークは、ユダヤ系アメリカ人でさえ、大使館のエルサレム移転が「悪い考えだ」と批判したと報じました。

ウォールストリートジャーナルは、トランプ大統領による政策転換で、中東が不安定になり、アメリカが努力してきた新たな平和交渉に打撃となる可能性があると解説しました。


[December 06, 2017]  No 031843792

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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