2分でわかるアメリカ

2017/10/10トルコリラを押し下げた対米外交

トルコの首都アンカラにあるアメリカ大使館は8日、アメリカでの一時滞在に必要なビザ(査証)のトルコ国内での発行を無期限で停止すると発表しました。イスタンブールのアメリカ領事館のトルコ人職員が、去年7月のクーデター未遂事件に関与していたとして身柄を拘束されたことへの報復措置とみられています。


ワシントンのトルコ大使館はすぐに反応。アメリカ人に対する非移民ビザの発給業務の停止を発表しました。


BBCは、在ワシントンのトルコ大使館の声明は、先に発表された在アンカラのアメリカ大使館の声明をほぼなぞらえたもので、国名を変えただけだったと報じました。


トルコはアメリカが主導する北大西洋条約機構(NATO)の加盟国。過激派組織ISISへの攻撃では協力していますが、関係が悪化していました。ほぼすべてのビザ発給を互いに停止したことを受け、9日の取引でトルコリラが急落しました。


CNBCは、トルコリラの対米ドル相場が一時3.7694まで売られ、4%超も下げたと報じました。1月につけた過去最安値から遠くない水準だとしています。対米関係の緊張に加え、トルコのインフレ率が上昇していることがトルコリラの売り圧力になっているとしています。


ウォールストリートジャーナルは、トルコリラの1日の下げ幅は去年7月のクーデター未遂事件以来の大きさだったと伝えました。米ドルがこのところ堅調で、新興国通貨のトルコリラが下落基調にあったとしています。


フィナンシャルタイムズは、トルコリラ急落に加え、イスタンブールの株式相場が一時4.7%下落、トルコ10年債利回りが上昇したと報じました。トルコの対アメリカの貿易額は、対EUと比べ圧倒的に小さいが、ビザ発給停止が投資家心理に与える影響は大きいとしています。トルコ経済が不安定な時期で、長期的な影響が懸念されると解説しました。


 
 [October 09, 2017]  No 031843752

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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