2分でわかるアメリカ

2017/06/14「土曜夜の大虐殺」を連想させた

アメリカのトランプ大統領の親しい友人で実業家のクリストファー・ラディ氏が12日、公共放送PBSの番組「ニュースアワー」の中で、トランプ大統領がロシア疑惑を捜査しているロバート・モラー特別検察官の解任を検討していると語りました。

ラディ氏は、特別検察官を任命する正当な理由はないと考えるが、解任するのは大きな間違いだろうと語りました。ラディ氏は番組出演の前にホワイトハウスを訪れています。

ホワイトハウスのスパイサー報道官は、「この問題について大統領はラディ氏と話していない。大統領と弁護士しかこの問題にコメントできない」とする声明を出しました。

ロシア疑惑を調査する下院の情報特別委員会の民主党トップのシフ議員は「大統領がモラー氏を解任した場合、下院がモラー氏を特別検察官に任命する」とツイッターに投稿しました。シフ氏はCNNのインタビューの中で、「トランプ大統領がモラー氏の解任を検討していることが事実だとすれば、とんでもないことだ」と語りました。

ニューヨーク・タイムズによりますと、司法省のルールでは、トランプ大統領がローゼンスタイン司法副長官に対しモラー特別検察官の解任手続きを要請することになります。ローゼンスタイン副長官が拒否した場合は、トランプ大統領がモラー特別検察官を解任することが可能だとしています。ニューヨーク・タイムズは、「Saturday Night Massacre(土曜夜の大虐殺)」を連想させたと報じました。

「土曜夜の大虐殺」とは、1973年10月20日土曜日の夜に、リチャード・ニクソン大統領(当時)がウォーターゲート事件を捜査していたコックス特別検察官を突然解任した出来事です。その過程で、司法長官と司法副長官も解任されました。国民と議会の激しい批判にさらされ、最終的にニクソン大統領が辞任に追い込まれました。

ワシントン・ポストは、ローゼンスタイン司法副長官が13日の上院の委員会で証言、モラー特別検察官を解任できるのは自分だけだとしたうえで、トランプ大統領から解任要請があった場合、法的に適切でない限り実行しないとの考えを示したと伝えました。

セッションズ司法長官は13日午後の上院での証言で、大統領選についてロシア側と話したことはないとして、結託があったとの疑惑を否定しました。証言は主要メディアが中継、関心の高さを示しました。


[June 13, 2017]  No 031843672

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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