2分でわかるアメリカ

2017/05/25「中国格下げ」を心配すべきか

アメリカの大手格付け会社ムーディーズが24日、中国の長期国債格付けを最上位から5番目の「A1」へ1段階引き下げました。ムーディーズによる中国の格下げは1989年以来、28年ぶりのことです。

格下げの理由についてムーディーズは、「潜在成長率が低下する中で債務が増え続け、財政が悪化する」と説明しました。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、債券のほとんどを中国の政府機関、銀行、企業など国内投資家が保有しているため、格下げの影響はほとんどないとみられると報じました。ただ、ムーディーズの格下げは、中国政府の経済成長モデルが機能しないと外部が考えていることを示したものだとしています。

BBCは、格下げを受けて中国経済への懸念を急に強める必要はないが、現状を理解するうえでムーディーズの見解は注目に値すると解説しました。

ニューヨーク・タイムズは、労働者の高齢化、労働生産性の低い伸びなどを背景に、中国が以前より低い経済成長を実現するために債務に頼らざるをえなくなっていると伝えました。仮に小規模の銀行やノンバンクに対する信頼感が低下し、投資家が金融商品を買わなくなった場合、デフォルトが中国全体に広がると懸念されているとしています。

CNBCは、中国政府が、ムーディーズの格下げについて、問題を過剰に捉えすぎている、改革を過小評価していると批判したと報じました。CNBCはまた、格下げで中国のバブルが弾けることはなさそうだとの専門家の見方を紹介しました。
 

 [May 24, 2017]  No 031843659

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.11 更新先が読めないブレグジットイギリスのメイ首相は10日、翌11日に予定していたEU離脱をめぐる法案の議会採決を中止しました。メイ首相は、「離脱案をめぐっては重要点の多くで幅広い支持が得られ…
  • 2018.12.08 更新予想下回った米雇用統計、こう読むアメリカ労働省が7日に発表した11月の雇用統計は、景気を敏感に反映することから重視される非農業部門の雇用者数が15万5000人増となり、前月の改定値23万700…
  • 2018.12.07 更新HUAWEI副会長逮捕の衝撃カナダ司法省は5日、中国の通信機器大手HUAWEI(ファーウェイ)の孟晩舟(メン・ワンツォウ)副会長兼CFOを逮捕したことを明らかにしました。副会長は創業者の娘…
  • 2018.12.06 更新市場混乱後に動いた中国中国政府は5日、アルゼンチンでの米中首脳会談に関し、初めて公式の声明を発表しました。声明は、3月1日までの期限を設けて貿易戦争の終結を目指すことで一致したと明記…
  • 2018.12.05 更新「I Am a Tariff Man」アメリカのトランプ大統領は4日、「私はTariff Man(関税マン)だ。人や国が我が国の富を求めてやってくるが、代償として(関税)を払ってもらう。(関税は)い…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを知る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ