2分でわかるアメリカ

2017/04/29弱い米GDPが示すもの、心配?それとも

アメリカ商務省が28日発表した第1四半期のGDP速報値は、前期比で年率0.7%増でした。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想の中央値は1.0%増、ロイターの調査では1.2%増でした。いずれも下回りました。

GDPの約70%を占める個人消費が0.3%増と、2009年以来の低い伸びとなりました。住宅や設備投資が大きく伸びましたが、個人消費が相殺しました。

ウォールストリートジャーナルは、過去8年の第1四半期のGDPも弱かったが、今回の弱い指標は心配だと解説しました。個人消費が弱く、月間小売売上高と自動車販売の低調さを裏付けたからだとしています。経済が堅実に成長するためには、消費者が再び財布の紐を開ける必要があると伝えました。

ワシントンポストは、第1四半期のGDPが弱いことは多くのエコノミストが予想していたが、それでも就任100日を迎えるトランプ政権にとっては懸念材料だと伝えました。

一方、ニューヨークタイムズは、第1四半期のGDPが弱かったが、パニックは無用だと報じました。企業の投資が伸びているほか、消費者信頼感指数が高水準になっているとしています。

フィナンシャルタイムズは、個人と企業の心理が改善しているにもかかわらず、第1四半期の成長率が過去3年で最低水準だったと報じました。信頼感指数などのソフト指標とGDPなどのハード指標の格差が過去5カ月間で目立っているとしています。

弱いGDPと対照的に、アメリカ労働省が発表した第1四半期の雇用コスト指数が前期比で0.8%上昇しました。予想の0.6%を上回り、2007年第4四半期以来の大きさとなりました。

 
[April 28, 2017]  No 031843641


※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.02.22 更新景気不透明感で金買いvs米中期待でパラジウム買い金(ゴールド)相場が上昇基調にあります。去年8月を底に約14%上昇しました。FRBが前日に発表した会合(FOMC)議事録が期待ほどハト派ではなかった影響で、21…
  • 2019.02.21 更新注目されたFOMC議事録、こう読むFRBが20日、1月29日と30日に開催した金融政策を決める会合(FOMC)の議事録を公表しました。会合後にパウエル議長がタカ派からハト派に転じたことなどで、ウ…
  • 2019.02.20 更新「核放棄しない」北朝鮮とトランプの交渉力アメリカの首都ワシントンで米中の貿易をめぐる次官級協議が19日再開しました。21日からは閣僚級交渉が2日間の日程で予定されています。今週は米中協議がワシントンの…
  • 2019.02.16 更新米中協議は進展、それとも不調?アメリカと中国が北京で開いた貿易をめぐる閣僚級協議が15日、2日間の日程を終えました。両政府は来週、ワシントンで6回目(今年3回目)となる閣僚級協議を行う予定で…
  • 2019.02.15 更新実は弱かった米年末商戦、9年ぶりの大幅減アメリカ商務省が14日発表した2018年12月の小売売上高は季節調整済みで前月比1.2%の減少でした。コンセンサス予想は0.1%増でしたので、それを下回り予想外…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを知る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ