2分でわかるアメリカ

2017/04/27トランプ政権の税制は歴史になるか

トランプ政権が26日午後、税制改革案の骨子を発表しました。

骨子は、連邦法人税を現行の35%から15%に引き下げることが目玉。小規模な事業や個人事業者を含むパススルー事業への最高税率についても15%に引き下げるとしています。パススルーは主に家族経営の事業、富裕層、弁護士事務所などが利用していて、トランプ大統領の不動産事業もこれにあたります。

さらに、個人所得税の区分が7段階から3段階に単純化され、税率は10%、25%、35%になります。標準的な控除額が2倍に。また、高額所得者らに適用される代替ミニマム税、遺産税、そして3.8%のオバマケア税の廃止も盛り込まれました。海外に保有する現金に一度だけ課税することなども骨子に入りました。

トランプ政権は税制改革の年内成立を目指します。減税分を補完する手段に欠け、財政赤字が拡大とするとして、野党・民主党が反対しています。

国家経済会議(NEC)のコーン委員長と共同で記者会見したムニューシン財務長官は、アメリカ史上で「最大の減税、最大級の税制改革になる」と述べました。経済成長のための税制改革だと繰り返し強調しました。

ニューヨーク・タイムズは、税制のループホール(抜け穴)を埋めたり、他の税率の引き上げができない場合、本当の税制改革とは言えないと解説しました。ジョージ・W・ブッシュ政権の2001年と2003年の税制改革と類似した内容だとしています。

ワシントン・ポストは、与党の下院共和党が法人税の15%への引き下げを歓迎しているが、計画の一部が「行き過ぎだ」として慎重にみていると報じました。トランプ大統領は、引き続き与党との調整に苦慮することになりそうだとしています。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、シティグループやバンク・オブ・アメリカが金融危機後に積み上げた繰延税金資産が無駄になると伝えました。ただ、法人税の35%から15%への引き下げにより影響が相殺される可能性があるとしています。


[April 26, 2017]  No 031843639

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.10.23 更新どうなる米中間選挙アメリカの中間選挙まであと2週間。上院の議席の3分の1、下院の全議席が改選されます。同時に全米50州のうち36州の知事選も実施されますが、注目は国政を左右する連…
  • 2018.10.20 更新中国当局、投資家の懸念緩和に協調行動中国政府の統計局が19日発表した2018年第3四半期(7−9月)のGDPは前年同月比で6.5%増加しました。エコノミストのコンセンサス予想は6.6%で、それを下…
  • 2018.10.19 更新中国批判強めた為替報告書、日本を引き続き監視アメリカ財務省は17日、主要な貿易相手国、地域の通貨政策を分析した「為替報告書」を発表しました。半期に一度のペースで議会に提出するもので、今回の報告書は4月に続…
  • 2018.10.18 更新注目のFOMC議事録、こう読む※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)FRBが9月25日と26日に開いた前回会合(FOMC)の議事…
  • 2018.10.17 更新失業者数を上回った求人※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ労働省が16日発表した雇用動態調査(JOLTS)によ…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを知る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ