2分でわかるアメリカ

2016/12/01OPEC合意は本物か

オーストリアのウィーンで開かれていたOPECの定時総会は30日、原油の減産で合意し閉幕しました。減産合意は8年ぶりのことです。

来年1月から約半年間実施、産油量を日量120万バレル減らし3250万バレルにすることでまとまりました。減産量は世界の原油生産量の約1%に相当します。OPECはまた、アルジェリア、クウェート、ベネズエラが合意の順守を監視することでも合意しました。

非加盟国のロシアも日量30万バレルに減産することで合意しているとしています。OPEC加盟国とロシアなどの非加盟の産油国は、12月9日にカタールのドーハで会合を開く予定です。

減産合意を受け、ニューヨークの原油相場が急上昇しました。

OPECが2年前に減産を見送ったのは、原油価格を押し下げアメリカなどに打撃を与えるためだったとThe Wall Street Journalが解説しました。サウジアラビアを中心としたOPECの戦略は成功し、アメリカのシェール業界に影響したとしています。サウジアラビアは今回の総会で、非加盟国を含めた幅広い合意を強く主張したと伝えました。

The New York Timesは、OPECがようやく減産で合意、原油価格が急上昇したが、問題はいつまで続くかだと報じました。非加盟国のロシアも減産で合意しているとされているが、ロシアは行動が予測できないことで悪名が高いとしています。サウジアラビアやイランは総会前に原油生産量を引き上げていたし、他の加盟国も同様の動きを見せていて、減産合意は意味のないものになっていると伝えました。

CNBCは、OPECが減産で合意したが、原油価格が上昇を続けるかどうかは見方が分かれているとしています。原油価格が1バレルあたり50ドルに迫ったことで、アメリカなどのOPEC非加盟国が増産する可能性があると指摘しました。ゴールドマン・サックスは、来年前半は原油価格の上昇が続き、後半は上昇が緩やかになると予想しているが、JPモルガンは緩やかにしか上昇しないと見ていると伝えました。OPECが約束を守らないとの懐疑的な見方もあるとしています。
 
 [November 30, 2016] No 0223109

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.02.22 更新景気不透明感で金買いvs米中期待でパラジウム買い金(ゴールド)相場が上昇基調にあります。去年8月を底に約14%上昇しました。FRBが前日に発表した会合(FOMC)議事録が期待ほどハト派ではなかった影響で、21…
  • 2019.02.21 更新注目されたFOMC議事録、こう読むFRBが20日、1月29日と30日に開催した金融政策を決める会合(FOMC)の議事録を公表しました。会合後にパウエル議長がタカ派からハト派に転じたことなどで、ウ…
  • 2019.02.20 更新「核放棄しない」北朝鮮とトランプの交渉力アメリカの首都ワシントンで米中の貿易をめぐる次官級協議が19日再開しました。21日からは閣僚級交渉が2日間の日程で予定されています。今週は米中協議がワシントンの…
  • 2019.02.16 更新米中協議は進展、それとも不調?アメリカと中国が北京で開いた貿易をめぐる閣僚級協議が15日、2日間の日程を終えました。両政府は来週、ワシントンで6回目(今年3回目)となる閣僚級協議を行う予定で…
  • 2019.02.15 更新実は弱かった米年末商戦、9年ぶりの大幅減アメリカ商務省が14日発表した2018年12月の小売売上高は季節調整済みで前月比1.2%の減少でした。コンセンサス予想は0.1%増でしたので、それを下回り予想外…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを知る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ