2分でわかるアメリカ

2016/11/15世界の債券売り加速

アメリカの大統領選で勝利した共和党のドナルド・トランプ氏が、勝利宣言の演説で、全米の道路、橋、病院、空港などを整備する大型のインフラ投資を表明しました。議会で過半数を確保した共和党の上下両院のリーダーも財政拡大路線を支持しました。

これをきっかけに、世界で債券の売りが加速しました。米30年債利回りは心理的な節目の3%を突破、米10年債利回りは2%を超えて上昇しました。一時2.3%台まで利回りが上がりました。

Bloombergは、トランプ氏が大統領に選出された先週、世界の債券市場で過去最大となる1兆2000億ドル(約129兆円)の価値が失われと伝えました。投資家が資金を株式に振り向けているとしています。

The Wall Street Journalは、財政拡大が進むとの見方で、安全資産への需要がなくなり、投資家は株式とコモディティへの買いを加速させていると解説しました。売りが売りを呼ぶ展開になっていて、利回りが一段高になるとアナリストが予想しているとしています。ただ、金利が上昇しすぎると、経済に打撃になるとの懸念もあると伝えました。

Financial Timesは、トランプ次期大統領の経済刺激策に賭けた投資家による債券売りが一段と深まったと報じました。経済刺激により成長が加速、同時にインフレ率が上昇すると投資家が見ていると解説しました。利回りの大幅な上昇で、米ドルが積極的に買われる一方、新興国市場が打撃を受けているとしています。

CNBCは、債券投資家、預金者、そして借金をしている人の世界が変わっと伝えました。金利が上昇し、住宅や自動車などのローン金利に影響するとしています。トランプ氏が公約したインフラ投資と減税が強い成長を招くが、同時に高いインフレ率と財政赤字の拡大につながると投資家が見ているとしています。
 
 [November 14, 2016] No 0223098

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.02.16 更新米中協議は進展、それとも不調?アメリカと中国が北京で開いた貿易をめぐる閣僚級協議が15日、2日間の日程を終えました。両政府は来週、ワシントンで6回目(今年3回目)となる閣僚級協議を行う予定で…
  • 2019.02.15 更新実は弱かった米年末商戦、9年ぶりの大幅減アメリカ商務省が14日発表した2018年12月の小売売上高は季節調整済みで前月比1.2%の減少でした。コンセンサス予想は0.1%増でしたので、それを下回り予想外…
  • 2019.02.14 更新ドル高が影響? 米CPI横ばいアメリカ労働省が13日発表した1月の消費者物価指数(CPI)は3ヵ月連続で前月から横ばいでした。0.1%上昇がコンセンサス予想でしたので、それを下回りました。前…
  • 2019.02.13 更新100年前の呪縛と米中貿易協議アメリカと中国の貿易をめぐる次官級協議が、11日から中国商務省ではじまりました。ムニューシン財務長官とライトハイザー通商代表が12日に北京に到着、14日に始まる…
  • 2019.02.12 更新 時間がないブレグジット3月29日に定められたブレグジット(イギリスのEU離脱)まで約1カ月半。離脱後のEUとの関係を詳細に決める協定はまだ成立していません。EUの行政執行機関である欧…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを知る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ