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2016/11/09トルコリラ最安値、政治と成長リスクが重い

トルコリラが、連日対米ドルで最安値を更新しています。

8日の外国為替マーケットでは、トルコの9月の鉱工業生産が前年同月比で3.1%減少、予想外にマイナスになったことでトルコリラ売りが加速しました。対米ドルで一時3.1853リラまで下落しました。トルコの経済成長が一段と減速するとの観測が広がりました。アナリストの一部はマイナス成長を予想しています。

7月15日のクーデター未遂事件以降、エルドアン大統領が主導する形で、10万人以上の公務員らが職務停止処分もしくは身柄を拘束されました。先週は、クルド系野党の党首を含む議員が逮捕されました。「人権を無視している」としてEUが強く批判、トルコとの関係が緊張しています。これもトルコリラ売りを誘っています。

Financial Timesは、アメリカの大統領選でヒラリー・クリントン氏が勝利する可能性が高いとして新興国の株価が大幅に上昇しているが、トルコ株は逆行して下落したと報じました。政治リスクに加え、経済のファンダメンタルズが悪化していて、トルコの金融資産の低迷が続くだろうとするストラテジストのコメントを紹介しました。与党の公正発展党(AKP)の最大のチャレンジは、エルドアン大統領の権限を強化するための憲法改正が安定につながると外国人投資家を説得することができるかどうかだと解説しました。

Bloombergは、去年末からトルコリラが8%下落したが、ゼイベクチ経財相は為替介入について「罠にはまる」として否定的だと伝えました。政治圧力で政策金利が引き下げられたが、結果として市民のリラ保有が無意味になり、米ドル買いが進んでいるとしています。

Reutersは、トルコリラと外国為替のボラティリティの2つのリスクがあると報じました。南アフリカの通貨は政治との関係が薄らいだが、トルコリラは政治との関係が強まっているとするJPモルガンのアナリストのコメントを紹介しました。


 [November 08, 2016] No 0223094

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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