2分でわかるアメリカ

2016/11/01選挙前にM&Aラッシュ

マーケットへの影響を考慮し、あえて週末に契約を締結、週明けに発表するM&Aが伝統的に多くあります。「Merger Monday(マージャー・マンデー)」と呼ばれます。31日月曜日も大型M&Aの発表が相次ぎました。

アメリカのGEは31日、自社の石油・ガス関連部門と、アメリカの油田サービス大手ベーカー・ヒューズを統合することで合意したと発表しました。ベーカー・ヒューズの株主に74億ドル(約7770億円)を支払い、新会社の株式62.5%を取得します。新会社の売上高は業界首位のシュルンベルジェに迫る規模になります。

31日はこのほか、通信サービス大手のセンチュリーリンクがレベルスリーを340億ドル(約3兆5700億円)で買収、さらに大手投資会社ブラックストーンが率いる投資ファンドは医療サービスのチームヘルスを、債務を含め61億ドル(約6405億円)で買収すると発表しました。

10月22日には通信大手のAT&Tがタイムワーナーの買収を発表。27日には、クアルコムが半導体のNXPの買収を発表しています。M&Aラッシュと言えます。

Financial Timesは、今年10月の世界のM&A規模は3200億ドル(約33兆6000億円)に達し、月間ベースで史上7番目になったと報じました。アメリカ単体では過去2番目の規模だとしています。アメリカの大統領選で民主党のクリントン候補が優勢になっていることが影響しているとした上で、「メール問題」でトレンドが変わる可能性があると解説しました。

The Wall Street Journalは、大型M&Aの発表が相次いでいるが、当局の承認のハードルが上がっていると伝えました。アメリカ政府は、雇用や給与に悪い影響がないか慎重に精査しているとしています。

大型M&Aが成立すると、アドバイザーを担った投資銀行に多額の手数料が支払われます。Business Insiderは、31日も大型M&Aの発表が相次ぎ、投資銀行が再び祝杯をあげていると伝えました。
 
 [October 31, 2016] No 0223088

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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