2分でわかるアメリカ

2016/10/25反対相次ぐ、通信とメディアの巨額M&A

アメリカの通信2位のAT&Tが22日、CNNやHBOなどのケーブル局や映画会社ワーナー・ブラザーズを傘下に置くタイム・ワーナーを854億ドル(約8兆8816億円)で買収することで合意したと発表しました。

AT&Tとタイム・ワーナーは来年末の経営統合を目指しますが、通信とメディアを監督するFCCが消費者に悪影響がないか厳しい審査をするほか、司法当局も審査する可能性があります。また、民主党と共和党の2大政党は、AT&Tのタイム・ワーナー買収に懸念を強めています。共和党の大統領候補のトランプ氏が反対を表明、民主党のケイン副大統領候補も「懸念を共有する」と述べました。

2社はそれぞれ伸び悩んでいて、防衛的な買収だと指摘されています。24日のウォール街は通信とメディアの融合の話題で持ちきりです。

The Wall Street Journalは、メディアを再編するAT&Tの巨額買収は政治的な反発を受けそうだと報じました。反トラスト当局、議会、そしてメディアと通信の競合各社が2社の統合を疑問視しているとしています。

Financial Timesは、AT&Tのタイム・ワーナー買収は発表直後から反対の声が相次いでいるとした上で、アメリカの次の大統領の反トラスト政策の最大のチャレンジになると伝えました。

ムーディーズは、買収合意の発表を受け、AT&Tの格付けを引き下げる方向で見直しに着手したことを明らかにしました。

The New York Timesは、経営統合した新会社は約1750億ドル(約18兆2000億円)の債務を抱えることになり、統合の重大なリスクになるとみられていると解説しました。一方で、厳しい審査が予想されるが、経営統合は意味のあることだとするコラムを掲載しました。
 
[October 24, 2016] No 0223083

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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