2分でわかるアメリカ

2016/10/05ハード・ブレグジット、ポンド売りが止まらない

4日の欧米の外国為替マーケットで、ポンドが対米ドルで31年ぶりの安値をつけました。クロス取引のポンドの対円相場は、米ドル円が大幅に上昇した影響で高く取引されましたが、マーケット全体ではポンド売りが目立ちます。

ポンドの対米ドル相場は前日3日の取引で約1%下落。4日も売りが続き、対米ドルで1.2735ドルと、1985年6月以来の安値をなりました。

イギリスのメイ首相が2日、EU離脱に向けた交渉を来年3月末までに開始すると表明したことがポンド売りにつながりました。演説の中でメイ首相は、貿易などEU加盟国への完全なアクセスより移民問題を優先することを示唆したことが材料視されました。「Hard Brexit(ハード・ブレグジット)」と呼ばれ、投資家の懸念となっています。

The Wall Street Journalは、ポンドが31年ぶりの安値を記録したことをトップ級で詳しく伝えました。メイ首相の最近の発言が、イギリス企業が影響を受けるとの懸念を広げたとしています。ポンド相場の下落により、国際的に展開する大企業や輸出業者が恩恵を受ける反面、輸入業者と消費者に打撃となり、明暗が分かれたと解説しました。

Financial Timesは、メイ首相の「ハード・ブレグジット」への懸念でポンドが安値を更新したと報じました(ロンドンの主要株価指数の)FTSE100が最高値近辺まで上昇したが、ドルベースで見ると年初から1%下落しているとしています。

USA Todayは、ポンドの対米ドル相場が過去に今の水準だったのは、アメリカではレーガン政権の2期目、ガソリン価格が現在の半分、イギリスではサッチャー政権、そして初のイギリス製の携帯電話が生まれた年だと解説しました。ポンド安で購買力が上がった外国人観光客に恩恵となるとしています。

Business Insiderは、「ハード・ブレグジット」を材料に不安定な相場が当面続きそうだと伝えました。

[October 04, 2016] No 0223070

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.15 更新醜い中国データに動揺中国政府の統計局が14日発表した11月の小売売上高は2003年5月ぶりの低い伸びとなりました。鉱工業生産は少なくともほぼ3年ぶりの低い伸びでした。いずれも予想を…
  • 2018.12.14 更新トランプ大統領の法的リスクアメリカのニューヨーク連邦地裁が12日、トランプ大統領の元弁護士のマイケル・コーエン氏に禁錮3年の実刑判決を下しました。約200万米ドル(約2億2600万円)の…
  • 2018.12.13 更新「米中進展」は本物か12日のニューヨーク株式相場が上昇しました。CNBCは、米中の貿易をめぐる協議の進展への期待が株価を押し上げたと伝えました。トランプ大統領はロイターとの単独イン…
  • 2018.12.12 更新中国、アメ車関税引き下げへ中国政府が、アメリカから輸入する自動車にかける関税を現行の40%から15%へ引き下げることを検討していると複数のメディアが報じました。中国政府は、今年7月1日に…
  • 2018.12.11 更新先が読めないブレグジットイギリスのメイ首相は10日、翌11日に予定していたEU離脱をめぐる法案の議会採決を中止しました。メイ首相は、「離脱案をめぐっては重要点の多くで幅広い支持が得られ…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを知る)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ