2分でわかるアメリカ

2016/10/04米社とグロス氏を取りに行った英運用会社

イギリスの資産運用会社ヘンダーソン・グローバル・インベスターズとアメリカのジャナス・キャピタル・グループが3日、来年の第2四半期(4-6月)に経営統合すると発表しました。株式交換による統合です。

新会社は「ジャナス・ヘンダーソン・グローバル・インベスターズ」で、ロンドンに拠点があるヘンダーソンが存続会社になります。預かり資産は合わせて日本円に換算して約32兆円で、世界で43位の規模。統合後の時価総額は約6080億円になります。

コロラド州デンバーに本社を置くジャナスは、ピムコの共同創業者で「債券王」と呼ばれるビル・グロス氏が所属する資産運用会社です。預かり資産の規模はヘンダーソンを上回りますが、運用成績が低迷していました。新会社の株主構成は、旧ヘンダーソン株主57%に対し旧ジャナス株主が43%となる見込みで、事実上のヘンダーソンによる買収です。

The Wall Street Journalは、ヘンダーソンとジャナスの経営統合は指数ファンドの苦境を示していると報じました。特にジャナスは2009年から2015年の間に620億ドル(約6兆2620億円)の資金が流出したとしています。ジャナスの顧客の80%がアメリカ人だが、ヘンダーソンの顧客の70%はヨーロッパ人で重複する部分は少ないと伝えると同時に、ジャナスにとっては思い切った決断だと解説しました。

Financial Timesは、ヘンダーソンが競合会社のジャナスとビル・グロス氏を手に入れることになると伝えました。経営統合は、低コストの指数ファンドの大きな路線変更だとしています。新会社の本社はロンドンに置くが、ロンドン株式市場での上場を廃止し、ニューヨークでの上場を目指すとしていて、世界の金融センターとしてのロンドンにとっては入り交じったメッセージなったと報じました。

日本の第一生命ホールディングスは、ジャナスと業務提携、株式の約9%を保有する筆頭株主です。The New York Timesは、第一生命が新会社への投資を増やす方針を示していて、最終的に少なくとも新会社の15%の株式を保有することを目指していると伝えました。


[October 03, 2016] No 0223069

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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