2分でわかるアメリカ

2016/10/01「リーマン」と比較されるドイツ銀行

欧米の株式市場がドイツ銀行に揺れています。アメリカ司法省が住宅ローン関連商品の不正取引をめぐり140億ドル(約1兆4140億円)という巨額の和解金を要求したことをきっかけに、経営・財務への懸念が高まりました。

今週は、選挙を控えたメルケル政権が公的資金の注入に消極的だとするドイツの雑誌Focusの記事、ヘッジファンドがドイツ銀行との取引の一部を停止、資金を引き揚げたとFinancial Timesの記事を受け、不安が一気に高まりました。ドイツのコメルツ銀行が大規模な人員整理をすると伝えられこともヨーロッパの金融システム全体への懸念につながりました。

30日の欧米市場では、ドイツ銀行の株価が9%近く下げ33年ぶりの安値をつけました。しかし、アメリカ司法省との和解が近いと伝えられたことで、急反発しました。荒い値動きでした。ドイツ銀行のクライアンCEOは、社員に平静を保つよう呼びかけるメールを出しました。

The Wall Street Journalは、8年前のリーマン・ブラザーズ破綻による投資家の苦い経験がドイツ銀行のジレンマになっていると解説しました。リーマン破綻で窮地に追い込まれたヘッジファンドが、ドイツ銀行と取引するリスクを警戒しているとしています。ドイツ銀行は顧客基盤が多様化していてリーマンとは異なるが、信頼を失えば悪影響は免れないと伝えました。

CNBCは、IMFが金融システムに対するドイツ銀行のリスクを指摘しているが、多くの専門家やアナリストは8年前のリーマン破綻時とは状況が異なるとみていると報じました。リーマン・ショックのような世界的な金融危機にはつながらないと考えられているとしています。

Reutersは、ドイツ銀行がリーマン・ブラザーズのようにはならないとするオーストリアのシュリング財務相のインタビューを配信しました。ただ、シュリング財務相はインタビューの中で、ヨーロッパの銀行が利益面で幅広い危機に直面しているとの認識を示しました。
 

 [September 30, 2016] No 0223068

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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