2分でわかるアメリカ

2016/08/23米TPP批准、極めて不透明

環太平洋経済連携協定、いわゆるTPPの発効に欠かせないアメリカの承認のメドが立たない状況になっています。

12カ国が今年2月に署名したTPPは、GDPで参加国全体の85%を占める6カ国以上の批准が発効の最低条件になっています。アメリカは参加国全体のGDPの62%を占めていて、アメリカの批准は欠かせません。

今年11月8日に実施される2人の有力候補は、いずれもTPPに反対しています。共和党候補のドナルド・トランプ氏はTPPからの撤退を公約に掲げています。民主党候補のヒラリー・クリントン氏は従来の主張を転換、TPPに反対する立場を明確にしました。

オバマ政権は任期が終了する前に批准手続きを進めたい方針です。しかし、民主党議員が反対、これまで賛成していた共和党議員も反対にまわりました。議会は選挙前の投票を停止、選挙後から新大統領就任までの「レームダック」期間での批准の可能性が残りますが、極めて不透明です。

The Wall Street Journalは、アメリカの連邦議会がTPPを承認する見通しが暗くなり、オバマ大統領のアジア外交での失敗になりつつあると報じました。アジアの中で最もTPPを重視している安倍首相が進めるアベノミクスにも大きなマイナスになると解説しました。

The New York Timesは、大統領候補、議会の民主、共和両党がいずれもTPPに反対しているが、オバマ大統領はTPP承認に希望をつないでいると伝えました。議会に最後の根回しを始めようとしているとしています。

The Washington Postは、TPPが承認されるかどうかは極めて不透明だと報じました。アメリカの政治は、TPP反対だけではなく、複数の国が参加する貿易協定全体への反対にシフトしたとしています。問題は、中国を含めた通商政策を今後どうするかだと解説しました。

[August 22, 2016] No 0223041

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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