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2016/07/19ソフトバンクの巨額買収「タイミングが怪しい」

ソフトバンク・グループは18日、イギリスの半導体設計大手のアーム・ホールディングスを243億ポンド(約3兆3000億円)で買収すると発表しました。

ヨーロッパのテクノロジー企業のM&Aで過去最大。日本企業による海外企業の買収でも最大。ソフトバンクは2013年にアメリカ通信4位のスプリントを当時の為替レートで約1兆8000億円の大型買収をしていますが、それを大幅に上回る規模です。

アームは半導体の設計に特化した会社で、クアルコムやサムスンなどの顧客からのラインセンス料が主な収益源。自動車や住宅などあらゆるものがインターネットにつながるIoT(インターネット・オブ・シングス)の中心的な企業だと孫社長が説明しています。2015年の売上高は9億6830億ポンド(約1350億円)にすぎませんが、利益率は35%に達します。

買収額は、先週末の終値に43%上乗せされました。Reutersによりますと、買収資金はみずほ銀行の借り入れ限度額1兆円のつなぎ融資(ブリッジローン)と手元資金で賄う予定です。9月末までの子会社化を目指します。

Financial Timesは、イギリスの国民投票でEU離脱を決めてから間もないタイミングで買収が発表されたと報じました。国民投票後にポンド相場が対円で約30%下落し、アームが魅力的な買収ターゲットになったとしています。ソフトバンクの孫社長は2週間前にアームの会長に初めて会い、その後に資産査定と資金の手当てをしたと伝えました。

The Guardianは、メイ新政権のハモンド財務相が「海外の投資家がイギリスへの興味を失っていない」とソフトバンクのアーム買収について歓迎するコメントを出したが、非常に馬鹿げているとするコラムを掲載しました。ソフトバンクが接近したタイミングが怪しく、メイ政権が海外からの買収から国益を守る方針を打ち出す前に短期で買収を決めたとしています。

The Wall Street Journalは、ソフトバンクの孫社長はEU離脱に向かうイギリスでの大型買収をカンフル剤にしたい考えで、過去の大型買収が残した混乱は後回しになると報じました。買収額はアームが今年計上する利益の50倍近く、ポンド安もさほど助けにならず、高くつく買収だと解説しました。

 [July 18, 2016] No 0223017

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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